(写真はイメージです/PIXTA)

SNSの普及や社会の発展にともない年々コンプライアンスに対する社会の目は厳しくなり、トラブル対応をも担う「法務部」の責任や企業における重要性も高まっています。今回は、Authense法律事務所の西尾公伸弁護士が、そんな法務部の業務内容と、働く人材に必要なスキル、また法務部をアウトソーシングするメリットについて解説します。

企業が法務部を「外部委託」する3つのメリット

法務部を自社で抱える他、外部にアウトソーシングをする方法も存在します。法務部を外部委託することによるメリットには、主に次のものが挙げられます。

 

1.能力が担保される

先ほど解説したように、法務部員には非常に多岐にわたる高いスキルが求められます。しかし、これらの能力を法律の専門家ではない経営陣が推し測ることは、容易ではないでしょう。正式に採用してからミスマッチに気づいたとしても、そのことのみを理由として即座に解雇ができるわけではありません。

 

法務部を法律の専門家にアウトソーシングすることで、一定の能力が担保されるため安心です。

 

2.自社での採用コストや教育コストを削減できる

優秀な法務部員を自社で採用することは、容易ではありません。先ほど解説した必要なスキルを満たす人材は豊富とはいえず、他の企業も欲しい人材であるためです。そのうえ、採用しても数年後に離職されてしまう可能性も低くないでしょう。

 

また、法務部員は法改正などに対応するため、常に学び続ける必要があります。そのため、自社で法務部を抱える場合には、教育や資料の購入などにかかるコストの負担は避けられません。

 

一方、法務部を外部委託することで、自社で採用や教育を行うコストを大きく削減することができます。結果的に、採用や教育にかかるコストを減らすことにつながるでしょう。

 

3.必要なときだけ依頼できる

法務部の業務は、常に均一的に発生するわけではありません。しかし、自社で法務部員を雇用した場合には、必要なときだけ仕事をしてもらって給与を支払うなどということは不可能です。また、法務部員には高いスキルが求められるため、他の部署の業務をしている人に必要なときだけ兼任させるようなことも難しい場合が多いでしょう。

 

一方、法務部を外注した場合には、自社で人員を抱え続ける必要はありません。必要なときだけ、委託先に業務を依頼すればよいためです。

 

法務部のアウトソーシングは、中小企業が信頼できる法務部機能を持つために有効で、効率的な選択肢であるといえるでしょう。

 

◆まとめ

法務部は、企業内の法律業務を担う非常に重要な部署です。そのため、法務部員には法律知識など非常に高いスキルが必要となります。このような人材を自社で採用して教育し、雇用して抱え続けること、よほどの大企業でない限り容易ではないでしょう。

 

そこで選択肢の1つとしたいのが、法務部機能のアウトソーシングです。

 

弁護士へ法務部機能をアウトソーシングすることで、自社で人材を抱えることなく、質の高い法務部機能を持つことが可能となります。

 

 

西尾 公伸

Authense法律事務所

弁護士

 

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本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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