パワハラが労災認定された…「会社側」にもデメリット
社内で発生したパワハラが労災であると認定された場合、会社にとって次のリスクが生じます。
しかし、だからといって労災隠しをすることは行うべきではありません。
このようなリスクを知ったうえで事前に予防策を講じるべきであり、すでに起きてしまったことに対しては、法令に則って適切な対処を行いましょう。
被害者である従業員から慰謝料請求をされる可能性がある
労災認定がされるかどうかと慰謝料請求が認められるかどうかについて、直接の関係があるわけではありません。
しかし、労災認定がされるということは、業務と発病や死亡との因果関係が認められたということです。
そのため、労災認定がされた事案においては、被害者である従業員や遺族などから、慰謝料請求がされる可能性が高いでしょう。
被害者である従業員の解雇が制限される
労働基準法の規定により、業務に関連するけがや病気の療養のために休業している従業員について、休業期間中とその後30日間の解雇が、原則として禁止されています。
また、これに違反した場合には、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則の対象となります。
労働保険料が値上がりする可能性がある
パワハラに限ったことではありませんが、企業において労災事故が発生すると、労働保険料が値上がりする可能性があります。
なぜなら、労災保険制度では「メリット制」を採用しており、それぞれの会社の労災発生率に応じて労災保険率又は労災保険料額を、プラス・マイナス最大40%の範囲で増減させる制度となっているためです※6。
ただし、労災保険の割合となる労災保険率は、事業の種類ごとに個別に定められるため、自社の労災保険率を確認したい場合には、顧問先の社会保険労務士などへ問い合わせるとよいでしょう。
報道などでイメージが低下するおそれがある
企業の規模が大きい場合など社会的な影響がある企業である場合には、報道されてしまったりSNSで拡散されてしまったりする場合があります。
これにより企業イメージが低下して、採用活動や売上などに影響が生じる可能性があるでしょう。