(※画像はイメージです/PIXTA)

物価上昇が続くなか、岸田首相が財界に対し「賃上げ」を要請する一方、中小企業の72.8%が「賃上げの予定なし」というデータがあります(城南信用金庫調べ)。多くの中小企業にとっては賃上げしたくてもできない実態が浮かび上がります。そこで期待されるのが「賃上げ」をサポートする制度の活用です。本記事では、その一つで2023年2月20日締切の「小規模事業者持続化補助金(賃金引上枠)」について解説します。

知っておきたい!審査のポイントと加点事由

◆審査のポイント

審査のポイントは以下の通りです。

 

・自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。

・経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。

・経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。

・補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。

・補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。

・補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。

・補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか。

・補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。

・事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。

 

◆加点事由

また、加点事由が設けられています。「賃金引上枠」の場合、押さえておきたい加点事由は以下の5類型です。

 

【パワーアップ型加点】

・地域資源型:地域資源等を活用し、良いモノ・サービスを高く提供し、付加価値向上を図るため、地域外への販売や新規事業のたち上げを行う計画に加点

・地域コミュニティ型:地域の課題解決や暮らしの実需に応えるサービスを提供する小規模事業者による、地域内の需要喚起を目的とした取組等を行う計画に加点

 

【赤字賃上げ加点】

・賃金引上枠に申請する事業者のうち、赤字である事業者に対して加点

 

【経営力向上計画加点】

・中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受けている事業者に対して加点

 

【電子申請加点】

・補助金申請システム(名称:J グランツ)を用いて電子申請を行った事業者に対して加点

 

【事業環境変化加点】

・ウクライナ情勢や原油価格、LPガス価格等の高騰による影響を受けている事業者に対して加点

 

他に、「事業承継加点」「東日本大震災加点」「過疎地域加点」があります。

 

「第11回募集」の最終締切は2023年2月20日(月)です。ただし、申請に必要な書類で地域の商工会議所が作成・発行する「事業支援計画書(様式4)」の発行の受付の締切は原則として2023年2月13日(月)となっています。

 

詳細は「ガイドブック(第6版(2022年12月23日発表))」、「公募要領(第6版(2022年12月16日発表))」をご覧ください。

 

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