(※写真はイメージです/PIXTA)

不倫の事実は、サレタ側にとっては許しがたいことです。しかし不倫に至るまでの間に夫婦関係が破綻していたり、DVやモラハラ行為があったり等、当事者の状況によっては一概にシタ側のみに責任があるといえないケースもあります。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、有責配偶者からの離婚請求について亀子伸一弁護士に解説していただきました。

3年間の不倫で、1,000万円の慰謝料を請求され…

相談者のOさん(女性・仮名)は、既婚者であるAさんと3年間に渡り不倫関係があったため、夫から慰謝料を請求されています。

 

Oさん夫婦は結婚12年目で、小学生の子どもが3人います。現在、夫とは2ヵ月別居中で、子どもとの面会を禁止されています。

 

Aさんは夫と示談し、「1,000万円払う」と念書を書きました。

 

Oさんは専業主婦で収入がないため、夫から「両親に養育費という名目で子ども1人につき2〜3万円払わせろ、もしくは家を売って一括で支払え」と言われています。

 

Oさんは両親に事情を話したところ、「600万円借すから、一括で払ってはどうか」と言ってくれているそうです。

 

夫は「離婚はどちらでもいい」と言っていますが、Oさん自身は兼ねてからの義親や夫のモラハラに耐えきれず、離婚をしたいという意思です(有責側から言えることではないのは重々理解しています)。

 

そこで、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の3点について相談しました。

 

1.600万円で納得してくれない場合はどうすべきか。示談の際に気をつけた方が良いことはあるか。

 

2.夫と離婚するにはどうしたらよいか。

 

3.子どもとの面会交流を再開させるにはどうしたらよいか。

自分に“非”があっても安易に約束をしない

今後、追加請求されないために

相談者は自身の不貞行為が発覚した後、「1,000万円払う」という念書を書いて、夫と示談をしたようです。

 

不貞慰謝料には、裁判で認められるであろう「相場の金額」があります。しかし、当事者間で、相場の金額よりも高い慰謝料を支払う合意をすることも可能です。

 

そして、当事者間の合意があるときには、相場よりも合意の金額の方が優先されます。不貞について自分に非があるとしても、安易に慰謝料を支払うという約束や合意をしないように気をつけましょう。

 

また、不貞をした側が念書(示談書)の作成に応じる場合、慰謝料の金額のほかに、「不貞行為の特定」と「清算条項」に注意をした方がよいです。

 

1つ目の「不貞行為の特定」というのは、いつからいつまでの期間の不貞行為が対象となっているか、ということです。示談の対象は、念書で記載のある行為に限られます。念書で記載のある行為以外にも不貞行為があることが後で発覚すると、追加請求される可能性があります。

 

2つ目の「清算条項」というのは、簡単に言うと、「対象となる行為について、これ以上請求できるものは残っていません」という合意のことです。この「清算条項」についての記載が無いと、これも後で「支払ってもらった慰謝料は一部だけで、まだ残りがある」などと追加請求される余地が残ってしまいます。

 

「この示談書にサインして本当に大丈夫なのか」と心配があるときには、迷わず弁護士に相談してください。

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