伸びないGDPと個人の収入
GDPや個人の年収をみても、ここ30年程はほぼ横ばいである。日本が足踏みしている間に他の先進国から離され、中進国には追いつかれている状況である。
IT関連ではかつては安い労働を求めて中国に発注していたが、今は日本のIT関連の賃金の方が安いので中国から日本に発注が来る場合もある。IT関連の様に海外と直接ビジネスを行っている業界では、日本の賃金は既に二流以下になっている。
因みに、1990年での日本の一人当たりのGDPは世界の9位で、アメリカとほぼ同じ金額だったが、2020年では23位まで下がり、5位のアメリカの約2/3となっている。また1990年では日本は香港やシンガポールの約2倍だったが、2020年では、両国(地域)共、日本よりはるかに高いレベルになっている。
因みに、日本の会社員の平均年収の推移を見ると、1970年頃は100万円を若干下回る金額だったが、1980年頃には300万円近くまで上昇し、1990年には400万円を超えた。そしてバブル崩壊直後の1992年が約450万円であったのだが、2020年では430万円程まで下がっている。これは異常としか云えない。
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松本 繁治
ルイジアナ州立大学工学部卒、同大学大学院中退。
日米の製造メーカに勤務後、外資系IT企業や外資系コンサルティング企業にてコンサルタントとして10年以上の活動を行う。一時期、家業である製造メーカで経営を支援。
2009年以降は独立してコンサルティング活動を継続中。