(※写真はイメージです/PIXTA)

コンサルタントである松本繁治氏の著書『壊れたニッポンを治す為の21の処方箋』より一部を抜粋・再編集し、日本人の「失敗を許さない文化」「間違いを認めない文化」について見ていきます。

間違いを認めない文化

失敗を許さない文化(※)が行き過ぎると、間違いを認めない様になる。電車が1分遅れただけで非難をする日本人である。

 

(※失敗を許さない文化 プロの野球やサッカーでは、勝っている時は良い面に目を向けるが、負けが続くと悪い面に目が行き、挙句の果ては、監督やコーチが選手を非難したり、チームメート同士が非難しあう事がある。そうなると、チーム内の雰囲気が悪くなり、より一層結果が出なくなってしまう事もある。

 

そして学校での部活やアマチュアの世界でも同じ様な事が起こっている。これは企業や社会でも同じで、売上が落ち込み、赤字になっている様な企業の雰囲気は決して良くはない。

 

元々日本人は失敗に対して寛容ではない。自分の子供の頃を思い出して欲しい。そして子育てをした事がある人であれば、自分の子育てはどうだったかを思い出して欲しい。間違いや失敗を叱られた(叱った)回数と、成功や良い事をした時に褒められた(褒めた)回数を思い出して欲しい。圧倒的に叱られた、または叱った回数の方が多いと思う。

 

最近は何かにつけて他人を非難ばかりしている。政治を非難し、経済人を非難し、芸能人を非難し、学校を非難し、挙句の果てにネット上では誹謗中傷合戦となっている。)

 

また非難やクレームが必ずしも正しい訳ではなく、非難やクレームをする側が間違っている場合も多くある。その場合は毅然とした態度を取れば良いのだが、残念ながらそれができない。

 

この非難やクレームが多くなり過ぎたためか、仮に指摘内容が正しくても、誤魔化したりやり過ごそうとする事が増えてきた感がある。元々失敗を許さない文化の下で間違いを認めてしまうと、とてつもない非難を浴びてしまうため、間違いを認めたくないとの意識が働くのは理解できる。

 

そして間違いを認めるには勇気がいる。だから余程の度量が有る人間でないと、間違いを認める事は難しい。

 

一般的にはその失敗や間違いによって、大きな損害や危害を与えたりする事は少ない。購入した商品に不備があって、コールセンターに電話し、商品を交換してもらうと云った類が多い。

 

しかしそれが国家や企業レベルでの間違いであれば事は重大である。

 

最近は、政治家、役人、そして大企業が起こした不正行為や嘘が多くなっている感じがする。嘘を誤魔化すためにまた嘘をつく。嘘の上塗りである。

次ページ高学歴者程「間違いを認めない」傾向にある?

※本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『壊れたニッポンを治す為の21の処方箋』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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