(※写真はイメージです/PIXTA)

日本企業は、中国等の後進国の経済力が上がってきて中国製品との競争が激化してくると、コスト削減のために人件費に手を付け、そして仕入先を買い叩き、低賃金の労働者を増やすと云った愚業を行ってしまった。企業の要望もあり、2001年からの小泉政権下では非正規雇用の対象業務を増やし、低賃金の労働者を一気に増やしてしまった。こうした「間違った方向でのコスト削減」の結果、日本人の賃金はいまどのような実態にあるのか。

間違ったルール下での経済

日本企業が間違ったコスト削減に走った理由は、隣国に人件費が安い国が有り、そして日本の企業が積極的に工場を海外に移転した事にある。隣国であるがために輸送費も比較的安く、そして愚かな事に日本の技術を積極的に提供した。結果、日本の製造業は半分ほど崩壊し、隣国の経済力が一気に向上してしまった。

 

似たような設備で製品を作れば、人件費が格段に低い国で作った方が安いに決まっている。ここに日本人の国家観の無さが露呈している。

 

隣国の製品は品質が悪いにも拘わらず、購入担当者は価格だけで比較する事にも問題がある。売る方も品質等の違いをアピールすれば良いのだが、営業努力が足りない事等から購入先の言いなりになってしまっている。

 

また、日本製の過剰品質と過剰機能にも問題がある。その結果が非正規雇用の増加であるが、これらの問題点の根本原因は、既存の経済学にある。何が間違っているかと云うと、自由貿易を推進してきた今までの経済学に大きな問題がある。

 

自由貿易を推進している経済学は、企業が存続し、発展する上ではメリットがあるが、国家にとってはデメリットが多い。

 

随分前だが、企業が強大化する中で、国家の理論と企業の理論が相反する事について議論された事が有った。しかしIT企業が巨大化していく中で、その様な議論は無くなっていった。

 

しかし今は、もう一度国家の論理と企業の論理が相反している事を議論する必要がある。

 

これらの問題点に対して、トランプ前大統領がその解決策の一つを実施した。それはアメリカで製造する製品を優遇する事である。そのお陰でアメリカの経済は良くなり、そしてアメリカ国民、特に低賃金層が潤った事を知る必要がある。

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※本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『壊れたニッポンを治す為の21の処方箋』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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