アメリカと日本のGDP…20年で大幅に引き離されたワケ
「自分の人生で一番お金を浪費したのは、一体いつ頃ですか?」多くの人は、仕事をし始めた独身時代、給料のほとんどがお小遣いだった時期ではないでしょうか?
それが、結婚を境にお小遣いから生活費に代わり、そして仕事を引退して年金生活になり、更に自由に使えるお金が減る。日本の人口がそんなに減っていないにもかかわらず、日本は1999年以降、年々この高齢化が原因で、基本的な国民消費を減らし続け、これが原因でデフレスパイラルに陥っていたのです。
その証拠が、日本と経済的な成熟度の近いアメリカ経済と比較してみると、はっきりとそれが数値に出ています(図表1)。
図からもわかる通り、アメリカは毎年たくさんの移民者が国境を越えて入ってきます。そのため日本のように人口減少や少子化の問題が発生していないどころか、毎年人口が300万人ずつ増加している状態なのです。
そのアメリカと日本のGDPを比較してみると、2000年の時点でアメリカのGDPは日本の約2.5倍程度でしたが、20年経った現在では約4倍近くにまで引き離されています。仮に皆さんが商売を始めるとしたら、毎年お客さんが減り続ける立地と増え続ける立地、どちらに出店したいと思いますか?
この当たり前の質問の答えの通り、両国の経済成長の差が「その国の人口の増減が経済成長に大きく関係する」事をはっきりと示しているのです。
しかし、実際の人口がまだそんなに減り始めていないのと、五輪効果によって、僅かずつでも経済成長している状況に、多くのエコノミストの目には、日本の実体経済がいかにボロボロになっているのかが、ハッキリと映らなかったのではないでしょうか。
しかし、日本政府がこの現状をわかっているのかどうかは別として、近年やっと日本政府も少子化問題に対して、本格的に何とかしようという動きが出始めてきました。