(※写真はイメージです/PIXTA)

日本の将来には依然、霧が立ち込め、不安が渦巻いています。なぜ後れを取っているのでしょうか。どうしたら、かつての輝きを取り戻すことができるのでしょうか。ジャーナリストの岡田豊氏が著書『自考 あなたの人生を取り戻す不可能を可能にする日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)で解説します。

GDPでは日本は中国に抜かれ3位に転落

日本で就業者に占める会社員、公務員、団体職員など雇われている人の割合は8割、9割と言われ、圧倒的に多い存在です。

 

そうした人たちは、日本の元気の行方を大きく左右しています。世界に誇るイノベーションを生み出せるのも、雇用や給料を生み出すのも、人々の生活を向上させるのも、会社や役所などで働く人たちです。そうした方々にぜひとも立ち上がってほしいと思います。ここでは企業経営者も広い意味で会社員として表現している部分もあります。

 

■日本人が失った30年 日本の牽引役の企業が“衰退”

 

日本の姿を見つめます。「政治は三流だが経済は一流」「世界第2位の経済大国」。かつて、こうしたプライドを持って、多くの日本人が働いていました。

 

しかし、輝いていたのは随分と昔のことです。まず、日本を引っ張ってきてくれた企業の勢いがどれだけ衰えたのかを数字で見てみます。世界の企業の株式時価総額ランキングです。株式の時価総額は、上場企業の株価に発行済み株式の数をかけた数字。時価総額が大きいということは、その企業の魅力、勢いなどを示します。

 

1989年の世界トップ10のうち日本企業は7社。しかも上位5位は日本企業が占めていました。当時、世界における日本企業の勢いは、ものすごかったのです。

 

=1989年=

①NTT
②日本興業銀行
③住友銀行
④富士銀行
⑤第一勧業銀行
⑥IBM(米国)
⑦三菱銀行
⑧エクソン(米国)
⑨東京電力
⑩ロイヤル・ダッチ・シェル(英国・オランダ)

 

それから32年後の2021年9月のトップ10に、日本企業の名前は見当たりません。株式時価総額ランキングを50位に広げると、日本は唯一、トヨタ自動車だけです。日本企業の凋落ぶりは歴然としています。

 

=2021年9月(ブルームバーグ)=

①アップル(米国)
②マイクロソフト(米国)
③アルファベット(米国)
④サウジアラムコ(サウジアラビア)
⑤アマゾン・ドット・コム(米国)
⑥フェイスブック(米国)
⑦テスラ(米国)
⑧バークシャー・ハサウェイ(米国)
⑨TSMC(台湾)
⑩エヌビディア(米国)

 

次ページこのままだと日本人は「40年、50年を失う」

本連載は、岡田豊氏の著書『自考 あなたの人生を取り戻す/不可能を可能にする/日本人の最後の切り札』(プレジデント社、2022年2月刊)より一部を抜粋し、再編集したものです。

自考

自考

岡田 豊

プレジデント社

アメリカでの勤務を終えて帰国した時、著者は日本は実に息苦しい社会だと気付いたという。人をはかるモノサシ、価値観、基準の数があまりにも少ない。自殺する人があまりにも多い。笑っている人が少ない。他人を妬む。他人を排…

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