自動車市場は「新エネ車」に注目
新エネ車は安定成長へシフト、蓄電池の需要増はLFP電池に恩恵大
中国自動車市場の約25%を占める新エネ車に引き続き注目したい。2023年のポイントは「高成長から安定成長へのシフト」。23年販売台数は前年比35%増の900万台と見込まれる(22年は11月までで約103%増)。
一方、購入補助金の終了や前年の急増からの反動にはやや注意。最大手のBYD(01211)は新車販売300万台(22年目標の2倍)を目指す。日本などへの進出拡大がブランド力向上につながりそう。
車載電池では国軒高科(002074)を筆頭格に挙げたい。低コストかつ安全性の高いLFPタイプに強みを持ち、華為技術(ファーウェイ)向け蓄電池の出荷増も後押し材料だ。
負極材大手の上海璞泰来新能源科技(プータイライ、603659)は急速充電に有利とされる人造黒鉛(負極材の一種)の生産能力アップに注力。国電南瑞科技(600406)はコロナ禍で延期されていた特高圧の建設工事再開見通しが好材料。
不動産業界が回復してくれば三一重工(600031)の商機拡大も見込まれる。
コロナ規制の緩和がもたらす株価への影響は
コロナ規制緩和で観光ニーズ回復や医薬品に注目、不動産は低迷脱却なるか
新型コロナ規制の緩和に伴い、2023年は旅行市場が徐々に回復していくと見られる。国内観光や免税品ニーズは根強く、中国旅遊集団中免(601888、01880)が恩恵を受けやすいだろう。
一方、防疫措置の緩和で特に年前半に感染者が急増する局面が想定される。国産の経口薬「アズブジン」の独占販売権を持つ上海復星医薬(02196)、解熱剤が在宅治療常備薬リスト(衛生当局作成)に入った漳州片仔癀薬業(600436)や山東新華製薬(00719)の動向に注目したい。
ワクチンでは、吸入型を投入しmRNAタイプも開発中の康希諾生物(カンシノ、06185)が代表格となろう。不動産は各種政策がプラスに働き、業績や株価の戻りが期待される1年になりそう。中国当局は22年後半にかけて、①銀行大手による優良不動産デベロッパー向けの融資支援、②民営企業の社債発行へのサポート強化、③不動産上場企業のM&Aやエクイティファイナンス再開、などのテコ入れ策を相次いで発表した。
奥山 要一郎
東洋証券株式会社
上海駐在員事務所 所長
龔 静傑
東洋証券香港現法亜洲有限公司
中国株アナリスト/香港ストラテジスト
山藤 秋男
東洋証券株式会社上海駐在員事務所
中国株アナリスト/ストラテジスト
孫 佳賢
東洋証券株式会社上海駐在員事務所
中国株アナリスト
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