2023年中国経済動向…キーワードは「リオープン」
消費株後押し、外食・旅行・スポーツ関連株に妙味
2023年はリオープン(経済再開)が強く意識される1年になるだろう。年初は新型コロナの感染動向が大きな変数になるが、年中盤から後半にかけての景気回復、特に内需・消費セクターのリバウンドに期待したい。
旅行のネット予約を手がける同程旅行控股(00780)、火鍋レストラン最大手の海底撈国際控股(06862)、フードデリバリー最大手の美団(03690)などが注目株。
9月の杭州アジア大会を前に安踏体育用品(02020)を中心にスポーツ関連株が物色される場面もありそうだ。宴会や結婚式需要が戻れば宜賓五糧液(000858)など白酒セクターの追い風となる。
新エネルギー分野では、原料シリコン価格の下落が進み隆基緑能科技(601012)に有利に働く局面が想定される。
一方、世界景気の先行き不透明感から、歌爾(002241)や立訊精密工業(002475)などのOEM及び製造業は不安定な展開になると予想。
コロナ対策大幅緩和でネット企業も好転見込み
ネット企業は売上拡大&収益性改善を予想、ハイテク分野は国産化推進へ
12月の中央経済工作会議で、「プラットフォーム企業の発展を支持する」と表明。中国当局のネット企業に対する姿勢は、「問題点を正す」から「健全な発展を促進する」に移行。
新型コロナ対策の大幅緩和などを背景に、ネット企業の売上拡大&収益性改善を見込む。バリュエーション(企業価値評価)が上昇すれば、ネット株の見直し買いが活発化しよう。百度集団(09888)は自動運転とクラウドの高成長が続くほか、主力のオンライン広告も回復する見通し。
急拡大するクラウド市場では、中国移動(チャイナモバイル、00941)など通信大手がシェアを拡大しているが、アリババ集団(09988)などネット大手も今後の事業拡大と収益性改善が期待される。
中国政府は半導体の国産化を強力に進めており、支援策は強化される公算が大きい。半導体製造装置大手の北方華創科技集団(002371)は国産化の恩恵を大いに享受しよう。株洲中車時代電気(03898)はパワー半導体の生産能力拡大に注力中。