(※写真はイメージです/PIXTA)

都市部での忙しい生活を離れ、自然の多い地域でゆったり暮らしたい――。定年後や子育て後の暮らしとして、地方移住に憧れる人は少なくありません。生活費を抑えられる、広い家に住める、人とのつながりを感じられる。そうした魅力が語られる一方で、実際の暮らしには、移動手段や医療、地域付き合いなど、移住前には見えにくい負担もあります。

「自然の中でゆっくり暮らしたい」…憧れの地方移住

東京都内で暮らしていた隆さん(仮名・64歳)と妻の美紀さん(仮名・62歳)は、3年前、地方への移住を決めました。

 

きっかけは、夫婦で訪れた地方の温泉地でした。山並みが見える小さな町で、野菜の直売所があり、空気もきれい。隆さんは帰りの車内で、ふと口にしました。

 

「スローライフっていいよね」

 

隆さんのその一言に、美紀さんも深くうなずきました。

 

都内のマンションは手狭で、管理費も高く、近所付き合いもほとんどありませんでした。隆さんは早期退職を考えており、美紀さんも「残りの人生は、もっと穏やかに暮らしたい」と感じていました。

 

夫婦は都内のマンションを売却し、地方の中古戸建てを購入しました。庭付きで、部屋数も十分。価格は都内の住宅に比べればかなり抑えられました。

 

「これなら、老後資金にも余裕ができると思いました」

 

移住直後は、すべてが新鮮でした。

 

朝は鳥の声で目覚め、庭に花を植え、近所の直売所で野菜を買う。美紀さんは、都内ではできなかった暮らしに心が弾んだといいます。

 

「最初の半年は、本当に楽しかったです。毎日が旅行の延長みたいで」

 

しかし、1年を過ぎたころから、少しずつ現実が見え始めます。

 

まず負担になったのは、車でした。最寄りのスーパーまでは車で20分。病院も役所も、公共交通機関だけでは行きにくい場所にあります。夫婦は車を1台所有していましたが、隆さんが運転できない日には、美紀さんの行動範囲も限られました。

 

「都会にいたころは、歩けば何でもありました。地方では、車がないと生活が止まるんです」

 

地方では、車の維持費や移動コストが生活費を押し上げることもあります。

 

さらに、冬の暖房費、草刈り、屋根や水回りの修繕など、戸建てならではの費用も重なりました。

 

「安く暮らせると思っていたのに、思ったほど楽ではありませんでした」

 

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