部下がミスをしてしまった際など、どうにかやる気を出してもらおうと「頑張れ!」と声をかけた経験のある人は多いのではないでしょうか。しかし、大学野球日本代表も経験した異色の経営コンサルタント中田仁之氏は「『頑張れ!』は絶対にNGワード」だといいます。それはいったいなぜなのか、みていきましょう。
人のやる気は「使う言葉」で大きく変わる
私の仕事の1つに、クライアントが本来持っているヤル気を最大限に発揮させて、成果を生み出すモチベーション・コンサルティングがあります。
そのため、人をヤル気にさせることに関してかなり勉強もし、実践もしてきました。企業のリーダーを指導している時も、ヤル気を最大限引き出すことを意識して実践しています。
なんといっても相手は生身の人間ですから、一筋縄ではいきません。しかし1つ分かっていることがあります。人のヤル気は「使う言葉」で大きく変わります! 大きく2つポイントがあります。
やる気を上げるポイント1.「プラスに捉える」
まず1つ目は「プラスの受信力」です。これは1つの事実をどの角度から捉えるかとも言い換えることができます。世の中で起こっている事実は1つですが、解釈は無限にあります。いかにプラスに捉えるかが大切です。
たとえば、営業マンが新規訪問をして断られたと言って落ち込んでいた時の話です。営業マンとして、新規訪問は勇気のいる仕事の1つで、しかも門前払いをされてしまうと自分が否定された気になり、落ち込む人が多いです。
この時、課長だった私はこのように話しました。
「あの企業から受け入れられなくて良かった。多分提案内容や伝え方にも改善の余地があるっていうことだろうから、今度は別の企業にこんな風に勝負してみよう!」
「いっぱい課題が見つかってよかった。あのまま仕事が決まっていたら多分気づいてなかったぞ」
のように、半ば無理やりにでもプラスの言葉に置き換えて物事を捉えることが「プラスの受信力」です。
実際に私は部下に「もし門前払いされたら『せっかくいい話を持って来たのに、聞かないなんて信じられない、よし! 次行ってみよう!』と声に出して切り替えるように」と話しています。
下を向いてシュンとなって戻ってくるのではなく前向きな言葉を声に出して、自分でプラス受信をさせるように指導しています。
株式会社S.K.Y.代表取締役/中小企業診断士
株式会社A.B.United代表取締役
内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」会員
2025大阪・関西万博共創パートナー
1969年大阪生まれ。
幼少期より野球一筋、関西大学在学時には体育会準硬式野球部に所属、大学選抜メンバーに選出され海外遠征を経験。「JAPAN」のユニフォームに袖を通し、海外で君が代を歌うという経験を持つ。
卒業後、大日本印刷株式会社に入社、コンサルティング営業として20年間活躍後、2012年2月に株式会社S.K.Y.を設立。
「大好きな人に本気の応援を提供する」という企業理念を掲げ、上場企業から個人事業主まで幅広い顧客層を持つ。主な事業は販売促進に関するプロデュース業及び営業力強化・人材育成等のコンサルティング、さらに経営者やリーダー向けのビジネス講座を東京・大阪で主宰、企業からの講演依頼やリーダー育成プロジェクトの開発などの依頼が殺到している。
2020年5月、アスリートのネクストキャリアを支援する「日本営業大学(現Athletes Business United®︎)」という日本初のアスリートに特化した教育機関を設立、元プロ野球選手やJリーガーほかさまざまな競技に取り組む現役選手や引退した元アスリートから大学生まで、のべ300名のアスリートに対しビジネス教育を提供。就職や起業、地方創生や就農など1人ひとりに合ったネクストキャリアをプロデュースしている。
主な著書に、『困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント』(2018年株式会社ユサブル)。発売直後に重版となりロングセラーに。台湾、中国でも翻訳・出版された。
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