(※写真はイメージです/PIXTA)

リモートワークの普及や働き方改革などで、上司と部下のあいだでコミュニケーションがとりづらくなっている昨今、「部下を育てる」ことについて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。しかし、部下との関係性は上司の「たった1つ」の意識で変えられると、大学野球日本代表も経験した異色の経営コンサルタント中田仁之氏はいいます。筆者自身の経験から、部下と接する際の心構えをみていきましょう。

「ドライな部下」は“最近の若者”だからしょうがない?

私はこれまでに数多くのリーダーとお会いしてきました。

 

もちろん営業だけではなく、事務系や技術系など様々な職種のリーダーと接してきましたが、どうも部下との関係がドライな方が多いです。仕事帰りに部下と飲みに行くこともほとんどなく、理由を聞くと「最近の若者は誘っても来ないんです」というのがほとんどでした。

 

しかし、私はリーダーにも原因があると思います。それは、部下と人として本気で向き合うことを面倒だと思っているリーダーも増えてきている、ということです。

 

突然ですが、あなたは毎日本気で仕事していますか?

 

まさか手を抜いたりはしていないですよね?

 

『手を抜く方が疲れる』

 

これは、元SMAPの木村拓哉さんが言った言葉として有名ですが、かっこいいですね。誰も見ていなくても手を抜かない、これはなかなか難しいことだと思います。

 

上司や監督、先生や親が見ている前では頑張っているように振る舞い、見ていないところではグチを言ったりダラダラしたり。

 

あなたはそんな経験ありませんか? 恥ずかしながら、私はあります。

 

“ズル”も“手抜き”も自分だけは見ている

高校の野球部の頃、練習中に1滴も水が飲めなかった私は色んな工夫をしました。グラウンドへの水まき中に、自分のハンカチを濡らしそれを後で隠れて吸うとか、グラウンドの端っこの草むらの中に水筒を隠しておいて、ボールを探しに行くフリをしてちょっと飲むとか、色々作戦を考えてやりました。

 

しかし、そこは先輩方も同じで、水筒を隠すポイントをすぐに見破られたりしてほとんど失敗か未遂に終わり、こっぴどく怒られました。

 

しかし、中には成功した日もありました。その時その瞬間はやった! と思うのですが、すぐに気づいてしまうのです。

 

誰も見ていなくても、と書きましたが実は一番見られたくない人に見られているんです。そうです。自分だけには見られているんです。

 

しょっぱいハンカチを吸ってわずかな水を口にした喜びよりも、その後にくる何倍もの恥ずかしさや、仲間に対する申し訳ない思いでいっぱいになります。

 

誰も見ていないからいいやというあなたの姿勢を、自分が一番見ています。

 

誰も見ていなくても手を抜かないあなたの姿勢を、自分が一番見ています!

 

次ページ「リーダーの本気」と「部下の成長」の密接な関係

※本連載は中田仁之氏の著書『困った部下が最強の戦力に化ける すごい共感マネジメント』(ユサブル)より一部を抜粋し、再構成したものです。

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

中田 仁之

株式会社ユサブル

困った部下(=指示待ち族、指示に従わない、手を抜く)にお困りのリーダーは経営者や管理職を問わず非常に多いようです。 ある「5つのメソッド」を念頭に、リーダーとしての「姿勢」をもう一度見直してみてみることで、あ…

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