リモートワークの普及や働き方改革などで、上司と部下のあいだでコミュニケーションがとりづらくなっている昨今、「部下を育てる」ことについて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。しかし、部下との関係性は上司の「たった1つ」の意識で変えられると、大学野球日本代表も経験した異色の経営コンサルタント中田仁之氏はいいます。筆者自身の経験から、部下と接する際の心構えをみていきましょう。
「ドライな部下」は“最近の若者”だからしょうがない?
私はこれまでに数多くのリーダーとお会いしてきました。
もちろん営業だけではなく、事務系や技術系など様々な職種のリーダーと接してきましたが、どうも部下との関係がドライな方が多いです。仕事帰りに部下と飲みに行くこともほとんどなく、理由を聞くと「最近の若者は誘っても来ないんです」というのがほとんどでした。
しかし、私はリーダーにも原因があると思います。それは、部下と人として本気で向き合うことを面倒だと思っているリーダーも増えてきている、ということです。
突然ですが、あなたは毎日本気で仕事していますか?
まさか手を抜いたりはしていないですよね?
『手を抜く方が疲れる』
これは、元SMAPの木村拓哉さんが言った言葉として有名ですが、かっこいいですね。誰も見ていなくても手を抜かない、これはなかなか難しいことだと思います。
上司や監督、先生や親が見ている前では頑張っているように振る舞い、見ていないところではグチを言ったりダラダラしたり。
あなたはそんな経験ありませんか? 恥ずかしながら、私はあります。
“ズル”も“手抜き”も自分だけは見ている
高校の野球部の頃、練習中に1滴も水が飲めなかった私は色んな工夫をしました。グラウンドへの水まき中に、自分のハンカチを濡らしそれを後で隠れて吸うとか、グラウンドの端っこの草むらの中に水筒を隠しておいて、ボールを探しに行くフリをしてちょっと飲むとか、色々作戦を考えてやりました。
しかし、そこは先輩方も同じで、水筒を隠すポイントをすぐに見破られたりしてほとんど失敗か未遂に終わり、こっぴどく怒られました。
しかし、中には成功した日もありました。その時その瞬間はやった! と思うのですが、すぐに気づいてしまうのです。
誰も見ていなくても、と書きましたが実は一番見られたくない人に見られているんです。そうです。自分だけには見られているんです。
しょっぱいハンカチを吸ってわずかな水を口にした喜びよりも、その後にくる何倍もの恥ずかしさや、仲間に対する申し訳ない思いでいっぱいになります。
誰も見ていないからいいやというあなたの姿勢を、自分が一番見ています。
誰も見ていなくても手を抜かないあなたの姿勢を、自分が一番見ています!
株式会社S.K.Y.代表取締役/中小企業診断士
株式会社A.B.United代表取締役
内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」会員
2025大阪・関西万博共創パートナー
1969年大阪生まれ。
幼少期より野球一筋、関西大学在学時には体育会準硬式野球部に所属、大学選抜メンバーに選出され海外遠征を経験。「JAPAN」のユニフォームに袖を通し、海外で君が代を歌うという経験を持つ。
卒業後、大日本印刷株式会社に入社、コンサルティング営業として20年間活躍後、2012年2月に株式会社S.K.Y.を設立。
「大好きな人に本気の応援を提供する」という企業理念を掲げ、上場企業から個人事業主まで幅広い顧客層を持つ。主な事業は販売促進に関するプロデュース業及び営業力強化・人材育成等のコンサルティング、さらに経営者やリーダー向けのビジネス講座を東京・大阪で主宰、企業からの講演依頼やリーダー育成プロジェクトの開発などの依頼が殺到している。
2020年5月、アスリートのネクストキャリアを支援する「日本営業大学(現Athletes Business United®︎)」という日本初のアスリートに特化した教育機関を設立、元プロ野球選手やJリーガーほかさまざまな競技に取り組む現役選手や引退した元アスリートから大学生まで、のべ300名のアスリートに対しビジネス教育を提供。就職や起業、地方創生や就農など1人ひとりに合ったネクストキャリアをプロデュースしている。
主な著書に、『困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント』(2018年株式会社ユサブル)。発売直後に重版となりロングセラーに。台湾、中国でも翻訳・出版された。
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