(※写真はイメージです/PIXTA)

「ピンチはチャンス」という言葉がありますが、それは仕事においても同じです。経営コンサルタントの中田仁之氏は、部下を成長させるには意識して「乗り越えるべき壁」を作ることが必要だといいます。なぜでしょうか。みていきます。

優れたリーダーはあえて部下に壁を作ってやる

あなたは映画『KANO』をご存知ですか? 2014年の台湾映画なのですが「かのう」とは、日本統治時代の台湾の嘉義市に実在した、嘉義農林学校を日本語読みした当時の呼び名で、この高校が日本の甲子園を目指すという実話です。

 

その中でパパイヤ技師であり教師でもある浜田先生が、選手にこんな話をします。

 

「お前たち、どうやったら甘いパパイヤが育つか知ってるか? こうやって、根っこに釘を打つんだよ。釘を打たれたパパイヤの木は枯れてしまうかもしれないと思って、これで最後かもしれないと思って必死になって実に栄養分を送るんだ。お前たちも同じじゃないのか? 近藤監督はお前たちに釘を打ってくれてるんじゃないのか?」

 

本記事では、部下の成長を促すためにリーダーに必要な「愛厳の精神」についてお話します。愛厳の精神とは、「自分と関わることで、この部下はきっと良くなる」と信じ切り、そのためにあえて厳しいことを伝えるというリーダーに必要な心構えです。部下の未来のためにあえて壁を作ってやる、とも言えます。

ピンチの後にチャンスあり

プロ野球でも高校野球でも、解説の方が「ピンチの後にチャンスあり!」という表現をよく使います。野球って本当に不思議ですが、たとえば満塁のピンチを乗り越えた次の攻撃で大チャンスがやってくる、ということが本当に多いのです。

 

私もこれまで、たくさんの壁にぶちあたってきました。どれだけ頑張ってもチャンスをもらえなかったこと、大学受験に失敗したこと、ケガでレギュラーを失ったことなどたくさんの壁を経験してきました。中小企業診断士の国家試験もたった1問の差で不合格。また1年間勉強するハメになりました。

 

大なり小なり、たくさんの壁がちゃんとありました。しかし今、毎日楽しく仕事ができているのは、乗り越えてきたからです。あなたも多分同じだと思いますが、壁を乗り越えるために特別なスキルって何もなかったはずです。強いて言えば、自分から逃げなかったことと支えてくれた周りの存在でしょうか。

 

そして今から思えば壁を乗り越えた時、ほんのすこし自分がバージョンアップしていた感覚があります。もしバージョンアップしていなかったとしたら、出会えなかったであろう人がたくさんいます。もしバージョンアップしていなかったら気づけなかったことがたくさんあります。

 

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※本連載は中田仁之氏の著書『困った部下が最強の戦力に化ける すごい共感マネジメント』(ユサブル)より一部を抜粋し、再構成したものです。

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

中田 仁之

株式会社ユサブル

困った部下(=指示待ち族、指示に従わない、手を抜く)にお困りのリーダーは経営者や管理職を問わず非常に多いようです。 ある「5つのメソッド」を念頭に、リーダーとしての「姿勢」をもう一度見直してみてみることで、あ…

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