組織には多くの場合「リーダー」の存在が必要ですが、そのリーダーの振る舞いによって、かえって組織の成長を止めてしまう危険性があると、大学野球日本代表も経験した異色の経営コンサルタント、中田仁之氏はいいます。では、そのような駄目なリーダーが「ついやってしまっていること」とはなにか、中田氏が解説します。
リーダーの「何気ないグチ」が組織の成長を止める
仕事終わりの居酒屋さん、あなたは部下と一緒に今日の疲れを癒しにやってきました。飲みながらあれこれ話す内に社内のグチ大会に、なんて経験はありませんか?
「今日の〇〇部長の言い方、腹立ったよな」
「大体〇〇部長っていつも口だけで何もしてくれないよな」
このような会話が毎晩のように聞こえてきそうですね。
私は何もグチを言うな、とまでは言いません。しかし、あなたに気をつけてほしいことが2つあります。
1つ目は、あなたの話しているグチをあなた自身も聞いていて、それがあなたにインプットされてしまうと、必ずまた次にグチを言いたくなる状況がやってくるということです。
そして2つ目は部下に対して上司のグチを言っているなら、その部下の成長をあなたが止めている可能性が大きいということです。
たとえば、あなたの奥様はあなたのグチをお子さんに話していると思いますか? もしそうであるならば、あなたのお子さんにはお父さんを認められない、尊敬できない、感謝できない精神が出来上がってしまいます。もちろん、あなたの家庭内での立ち位置も低いものになるでしょう。
逆にあなたは奥様のグチをお子さんに話したりしますか? 「ママはああでこうで」などお子さんに話していると、あなたの言葉を聞いて育ったお子さんはどんな大人になりそうですか?
上司のグチを部下に言ってはいけないことと、奥様のグチをお子さんに言ってはいけないことは全く同じ理由です。それは、あなたの部下やお子さんはあなたの発する言葉の通りに育つからです。お子さんには言わないけど、部下にはつい言ってしまうという方も多いですね。
言葉には本当に不思議なパワーがあります。グチを言ってスッキリするなら構いませんが、また次にグチを言いたくなるような状況を招いてしまうということを肝に銘じておいてください。
逆に、プラスの言葉を使っていると、またそういうプラスの言葉を使いたくなる出来事がどんどん起こります。
株式会社S.K.Y.代表取締役/中小企業診断士
株式会社A.B.United代表取締役
内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」会員
2025大阪・関西万博共創パートナー
1969年大阪生まれ。
幼少期より野球一筋、関西大学在学時には体育会準硬式野球部に所属、大学選抜メンバーに選出され海外遠征を経験。「JAPAN」のユニフォームに袖を通し、海外で君が代を歌うという経験を持つ。
卒業後、大日本印刷株式会社に入社、コンサルティング営業として20年間活躍後、2012年2月に株式会社S.K.Y.を設立。
「大好きな人に本気の応援を提供する」という企業理念を掲げ、上場企業から個人事業主まで幅広い顧客層を持つ。主な事業は販売促進に関するプロデュース業及び営業力強化・人材育成等のコンサルティング、さらに経営者やリーダー向けのビジネス講座を東京・大阪で主宰、企業からの講演依頼やリーダー育成プロジェクトの開発などの依頼が殺到している。
2020年5月、アスリートのネクストキャリアを支援する「日本営業大学(現Athletes Business United®︎)」という日本初のアスリートに特化した教育機関を設立、元プロ野球選手やJリーガーほかさまざまな競技に取り組む現役選手や引退した元アスリートから大学生まで、のべ300名のアスリートに対しビジネス教育を提供。就職や起業、地方創生や就農など1人ひとりに合ったネクストキャリアをプロデュースしている。
主な著書に、『困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント』(2018年株式会社ユサブル)。発売直後に重版となりロングセラーに。台湾、中国でも翻訳・出版された。
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