日本のサラリーマン「はい、分かりました」の裏にある、4つの意味 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本の会社ではほとんどの場合、上司からの指示・命令に対して、部下は「はい、分かりました」と返答します。しかし、この返事には「4つの種類」があると、経営コンサルタントの中田仁之氏はいいます。それぞれの意味とは、みていきましょう。

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業績を下げる「間違った」指示命令

私は独立してからこれまで数百人の経営者や個人事業主、企業のリーダー等にお会いしてきました。多くの出会いを通じて、相談が多かったのが

 

①売上が伸びない

②人が育っていない

 

この2つがほとんどでした。おカネとヒト、経営者やリーダーはこの2つのどちらかに悩みを抱えていることが分かりました。ここではその中で「ヒト」についてお話ししたいと思います。

「はい」という返事には種類がある

たとえば、社長からの指示に対して部下のリーダーが「はい、分かりました」と答えました。あなたは、この「はい、分かりました」に種類があることをご存知でしたか?

 

A なるほど、おっしゃる通り! の「はい」

B よく分からんけど、とりあえず「はい」

C それは違うな、と思いつつ「はい」

D 怒られるから、怖いから、の「はい」

 

そして、B〜Dの「はい」を言ったリーダーは、その部下に対してNGワードを交えて伝えます。

 

「上が言っているのだから仕方ない」

 

この伝え方をされて、ヤル気の出せる部下は「上(この場合社長)を見ている人」だけです。上に褒めてもらうこと、社内評価に意識が向いている人しか、この言葉では反応しません。

 

そして、リーダーであるあなたがB〜Dの「はい」と答えて、それを部下に下ろした場合、まず部下は言うことを聞きません。では、どうすればいいのでしょう?

 

まず、リーダーであるあなたが納得するまで、Aになるまで上司と議論をするべきです。「俺はそう思わないけど、命令だから動いてくれ」という部下への下ろし方は最悪です。

 

何度も言いますが、リーダーはチームの責任者です。チームのメンバーを動かす以上、リーダーが引き受けたからには言いたいことをグッと飲み込んで、部下が動きやすい言葉に変換しなければいけません。でなければ、リーダーが部下と一緒になって上司のグチを言っているチームに成り下がってしまいます。

 

東京の顧問先にL社という創業70年を超える企業があります。現社長は三代目なのですが、二代目の頃からいた年配のW部長とうまくいかず悩んでいらっしゃいました。

 

W部長は社長のことをあまり良く思っていませんでした。部下の中にも、社長のことが苦手な人がいました。そこでW部長は、社長の悪口を言うことで部下をまとめようとしました。小学校のいじめでも同じような構図になっていると聞きますが、1人悪者をでっちあげて周りが結束する、というなんとも幼稚なマネジメントをしていたそうです。

 

社長がいない時はW部長を中心に楽しそうに仕事をしていて、社長が戻ってくるなり雰囲気が一変、それを主導していたのがW部長でした。結果、社長からの指示・命令は現場に届かず、業績は下がる一方、という状況に陥ってしまいました。

 

あなたもリーダーとして、同じような場面はありませんか? 上司を悪者にして結束しようとしたW部長のチームは、業績が下降しただけでなく優秀な社員が辞めてしまったそうです。理由は明らかですよね? 安易なマネジメントを選択したばかりに業績を落とし、ひいては自分の評価も落としてしまったわけです。

 

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    株式会社S.K.Y.代表取締役/中小企業診断士
    株式会社A.B.United代表取締役
    内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」会員
    2025大阪・関西万博共創パートナー

    1969年大阪生まれ。

    幼少期より野球一筋、関西大学在学時には体育会準硬式野球部に所属、大学選抜メンバーに選出され海外遠征を経験。「JAPAN」のユニフォームに袖を通し、海外で君が代を歌うという経験を持つ。

    卒業後、大日本印刷株式会社に入社、コンサルティング営業として20年間活躍後、2012年2月に株式会社S.K.Y.を設立。

    「大好きな人に本気の応援を提供する」という企業理念を掲げ、上場企業から個人事業主まで幅広い顧客層を持つ。主な事業は販売促進に関するプロデュース業及び営業力強化・人材育成等のコンサルティング、さらに経営者やリーダー向けのビジネス講座を東京・大阪で主宰、企業からの講演依頼やリーダー育成プロジェクトの開発などの依頼が殺到している。

    2020年5月、アスリートのネクストキャリアを支援する「日本営業大学(現Athletes Business United®︎)」という日本初のアスリートに特化した教育機関を設立、元プロ野球選手やJリーガーほかさまざまな競技に取り組む現役選手や引退した元アスリートから大学生まで、のべ300名のアスリートに対しビジネス教育を提供。就職や起業、地方創生や就農など1人ひとりに合ったネクストキャリアをプロデュースしている。

    主な著書に、『困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント』(2018年株式会社ユサブル)。発売直後に重版となりロングセラーに。台湾、中国でも翻訳・出版された。

    著者紹介

    連載大学野球日本代表も経験した異色の経営コンサルタントが伝授!売上を伸ばす「最強チーム」のつくり方

    ※本連載は中田仁之氏の著書『困った部下が最強の戦力に化ける すごい共感マネジメント』(ユサブル)より一部を抜粋し、再構成したものです。

    困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

    困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

    中田 仁之

    株式会社ユサブル

    困った部下(=指示待ち族、指示に従わない、手を抜く)にお困りのリーダーは経営者や管理職を問わず非常に多いようです。 ある「5つのメソッド」を念頭に、リーダーとしての「姿勢」をもう一度見直してみてみることで、あ…

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