(※写真はイメージです/PIXTA)

リモートワークの普及や働き方改革などで、上司と部下のあいだでコミュニケーションがとりづらくなっている昨今、「部下を育てる」ことについて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。しかし、部下との関係性は上司の「たった1つ」の意識で変えられると、大学野球日本代表も経験した異色の経営コンサルタント中田仁之氏はいいます。筆者自身の経験から、部下と接する際の心構えをみていきましょう。

上司の成長しようとする姿こそが「最高のお手本」

部下の役に立ちたくて…“無害な上司”の1年後

会社員の頃、こんな上司がいました。その方は決して派手ではなくあまり目立つ存在ではありませんでした。きつく怒るわけでもなく、口数も少ないその上司は、私たち部下の目から見て、失礼ながらただ害のないだけの方でした。

 

ある時、その方がコーチングの資格試験に合格したと聞きました。自費で数十万円を支払い、1年間コーチングスクールに通って勉強していたそうです。少しでも部下である私たちの役に立ちたくて勉強した、とおっしゃっていました。

 

そういえば質問が鋭かったな、そういえばよく話を聞いてくれたな、とその上司がこれまで私にしてくださったことを思い出し、この時も衝撃を受けました。

 

少年野球のコーチ、口数の少ない上司、この2人の共通点はお分かりでしょうか? この2人は、自分以外の誰かのために、自分が成長するのだという姿勢を持っていたのです。

 

私が企業研修やコンサルティングの場面で「人の成長に関わるのであれば、自分が成長している姿を見せることが大切です」とよくお話するのは、この2つの事例があるからです。

 

さらに、「自分の成長が自分のためだけでは弱いです。あなたが成長してほしいと願う方のために、あなたが成長しようとしている姿こそが、最高のお手本なのです」と続けます。

 

コンサルタントの世界も同じです。クライアントの役に立つために学びの歩みを止めない先生、自分の利益のために学ぶ先生、あるいは学ぶ姿勢が見受けられない先生と様々です。

 

あなたにも、成長してほしいと願ってやまない大切な人がきっといらっしゃると思います。その大切な人のために、あなたが成長しようと頑張っている姿をぜひ見せてあげてください。その背中がきっと勇気を与え、成長を後押ししてくれます。

 

部下を預かるリーダーとして、学び成長することをやめてはいけません。あなたは部下の育成を助けるために、あなた自身が成長する姿、成長しようとしてもがいている姿を見せることが必要なのです。そうして部下が育ち、チームが強くなっていくのです。

 

 

中田 仁之

株式会社S.K.Y.代表取締役

中小企業診断士

 

※本連載は中田仁之氏の著書『困った部下が最強の戦力に化ける すごい共感マネジメント』(ユサブル)より一部を抜粋し、再構成したものです。

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

中田 仁之

株式会社ユサブル

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