子どもが自由に学校を選ぶメリット
■学校を自由に選べたら……
みなさんは学校をどうやって選んできましたか。転職が簡単にできるようになったこの時代、学校もできるだけ自らの意思で選び、変更する仕組みを導入できないかという問題提起です。
児童、生徒は、小学校、中学校、高校に所属することを求められます。特に公立の小学校、中学校は住んでいる地域によって、入る学校が決められてしまいます。
良い教員、魅力ある授業や部活動などを基準に選びたくても、なかなか思い通りにはなりません。入学すれば、校歌や校訓を一方的に覚えさせられ、選んでもいない教員たちが教壇で待ち構えています。
校則、礼儀、協調、和……。集団で生活するためのルールなどを学ぶことは大事ですが、そこが自分に合わなかったり、人間的に未熟な教員がたくさんいたり、あれ、ちょっと違うなと感じた場合、学校を変更する選択ができないでしょうか。
いじめ、相性の合わない教員。こうした不幸に遭遇した時、自由に学校を選ぶことができれば、選択肢が増え、生徒は救われるだろうし、楽しいはずです。
「教育を受ける権利」は国民の三大権利の一つです。義務教育は無償です。義務教育は行政サービスのひとつと解釈することができます。役所の公務員が公園を整備したり、地域を区画整理したりするのと同じように、公立学校の教員は行政サービスを子どもたちに提供する。もし、行政サービスの質が悪い場合、本来、生徒や保護者は改善を求めることができるはずです。
しかし、現実はそうなっていません。学校現場は基本的に常時、第三者に公開されていないため、行政サービスのチェックがなかなかできません。生徒に選ばれない学校は人気が下がっていいはずです。そうならないよう教員も学校も自分の頭で考え、本気になる仕組みがあっていいはずです。
競争原理のすべてが望ましいとは思いませんが、学校選択に競争原理を導入する試みは、様々なハレーションを伴いながら、状況が好転するきっかけになるのではないでしょうか。学校が「個」に響く本当の教育の場に生まれ変わる契機にもなると考えます。
例えば、1年ごとに変更したい児童、生徒の希望を募り、実践してみてはいかがでしょうか。
手続きは大変でしょうが、生徒の目先のメリットや、将来、社会が得る果実は大きくなるのではないでしょうか。そうした学校、自治体がどんどん出てこないかと期待しています。
みなさん一人ひとりがそう考え、そう願えば、自治体もやがて動くのだろうと思います。