(※写真はイメージです/PIXTA)

「必ず儲かる」と言われFXの自動運用ツールのような高額な情報商材を購入させたり、「元金を保証する」と言われ運用代行を依頼した後に資金を持ち逃げされるなどは、FX詐欺の常套手段です。近年では手口が巧妙化していることから、経験の少ない方が詐欺を見抜くことは、とても難しくなっています。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、FX投資詐欺について松本 理平弁護士に解説していただきました。

 

投資前の注意事項

相手の個人情報を確認する

投資詐欺の相談を受けた際に、よく問題となるのが相手の個人情報を持っていないということです。訴訟を起こすにしても刑事告訴をするにしても、相手の氏名・住所は必須です。

 

これがないと、その調査のために追加の費用が掛かったり、そもそも請求を断念しなければならないことになります。また、強制執行するためには財産の把握も必要になるので、相手の口座の情報を得ておくことは有効な対策です。

 

特に、暗号資産での送金を依頼された場合には注意しましょう。トランザクションIDから調査をしても、暗号資産が海外の取引所に行っている場合などは対応がかなり困難になります。

 

そのため、まず、お金を人に渡す際には、身分証の写しをもらう、口座の情報をもらい日本円の振り込みで送金をさせてもらうように依頼する、それらを拒否するような人にはお金を渡さないということを徹底することが重要です。

 

投資に関する説明などはメールやLINEで行う

次に、よく問題となるのが、普段のやり取りをオンラインのミーティングや電話あるいは口頭で済ましていたということで、投資の経緯に関する資料が欠如しているということです。

 

民事訴訟でも、投資契約がどのような内容だったのか、入金前にどのようなやり取りがあったのか、勧誘はどのような内容だったのかなどは細かく主張する必要があります。

 

しかしながら、これが口頭だけであると証拠として乏しく、加害者に様々な言い訳を与える原因になります。そのため、少なくとも投資のお金を送金する前は、細かくLINEやメールで事業の内容や投資に関する説明をさせる必要があります。

 

仮に、電話で説明を受けた際も、すぐに、「先ほどのお電話の内容は、◯◯で間違いないですよね、間違いないことが確認できれば送金します」と確認の連絡を必ずメールでするようにしてください。

 

最近では小口の投資の成功を「エサ」にする手口が横行

最近だと、最初の小口の投資の際には問題ないように見せて、大口の投資をさせてお金を持って逃げるというような手口も多くなっています。そのため、最初の投資が問題なかったからと言って、相手を簡単に信じるのも危険です。

 

同じ相手に投資する際も、常に初めての相手と思って取引をする必要があります。

3つのうち1つでも満たしたら詐欺の疑いあり

様々な技術の発展に伴い、オンラインセミナーやSNSでの唐突な友人申請、マッチングアプリなど、多種多様なツールを利用して詐欺師は、詐欺の相手を探しています。その手口も、技術の進歩に伴い、巧妙に事業があるかに装えるようになっています。

 

そして、一度被害を受けた場合、その回収は上記の通り、非常に困難あるいは費用が掛かるものとなります。そのため、詐欺を未然に防ぐことが大事になります。

 

詐欺を未然に防ぐことは、意外とシンプルです。①直接会いたがらない、②個人情報を開示しない、③銀行振り込みでの送金を嫌がるという、3点を1つでも満たしたら詐欺を疑ってください。

 

老後のために少なくとも2,000万円は必要と言われている現代において、投資により資産を増やすことは重要であり、投資そのものやめるべきとは私も思いません。しかしながら、大事なお金を誰かに渡す際には、特に慎重かつ冷静に判断をするようにしてください。

 

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