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バイト先で同僚のお金を窃取…警察から取調べへの出頭要請が
相談者(女性・初犯)は、アルバイト先で同僚のお金1万円を窃取してしまいました。その後、店舗側から「防犯カメラに犯行の様子が映っていた」「被害者が警察へ被害届を提出した」との報告を受けました。相談者自身は被害者に対して謝罪と被害金の返還を申し入れていますが、会うことを拒絶されている状況です。
そのような状況下で、警察署から着信があり、「取調べを行うため警察署へ出頭してほしい」との要請を受けました。
相談者は、今後の取調べでどのようなことを聞かれるのか、このまま逮捕されてしまうのではないかと強く危惧しています。また、取調べの過程で警察官とともにアルバイト先へ同行(現場検証など)する可能性はあるのか、起訴されたうえで有罪判決が下ることにならないかについて、大きな不安を抱えています。
そこで、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の4点について相談しました。
(1)このような場合に該当し得る罪名と、今後の刑事手続きの流れは何か。
(2)このような場合、相談者は逮捕される可能性があるのか。
(3)取調べの際に、警察がバイト先に出向く可能性はあるのか。
(4)被害者が会うことを拒絶している状況下で、どのように適切な謝罪と被害弁償を進めた方が良いのか。
そのまま逮捕されてしまうのか?
今回は、アルバイト先での窃盗事案について、初犯かつ容疑を認めている事件であることを前提に、今後の流れと注意点を解説します。
(1)このような場合に該当し得る罪名と、今後の刑事手続きの流れとは何か。
今回のケースでは、一般的に「窃盗罪(刑法235条)」が問題になります。
窃盗罪は、「他人の財物を盗った場合」に成立する犯罪であり、法定刑は「10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」です。
もっとも、実際に下る刑罰は、被害額・犯行回数・常習性・反省状況・被害弁償の有無・再犯可能性の有無などによって大きく変わります。事情によっては、不起訴処分となる可能性もあります。
今回のように警察から出頭要請を受けた場合、まずは警察署で事情聴取や取調べが行われるのが通常です。取調べでは、「いつ、どこで、どのように盗ったのか」といった事実関係に加え、動機や反省の有無、被害弁償の意思などについても確認されます。また、必要に応じて、防犯カメラ映像や勤務記録、LINEのやり取りなどが捜査資料として確認されることもあります。
その後、警察は捜査を通じて収集した資料等をまとめ、事件を検察庁へ送ります。初犯であり、逃亡や証拠隠滅のおそれが小さい場合には、逮捕されずに「在宅事件」として進むケースも少なくありません。
事件の送致を受けた検察官は、最終的に「起訴するか」「不起訴にするか」を判断します。ここでいう「起訴」とは、検察官が裁判所に対して正式に裁判を求める手続をいい、起訴されると刑事裁判へ進むことになります。一方、「不起訴」とは、裁判をせず事件を終了させる処分であり、不起訴となった場合には前科はつきません。
特に、初犯で反省しており、被害弁償や示談が成立している場合には、不起訴となる可能性もあります。他方で、示談が成立しておらず、被害額が大きい場合や、犯行に常習性がある場合、被害者の処罰感情が強い場合などには、起訴される可能性もあります。
(2)このような場合、相談者は逮捕される可能性があるのか。
結論からいうと、逮捕の可能性はあります。
ただし、今回の事情からすると、
●被疑者の身元が特定されている(アルバイト時の履歴書等)
●初犯の認め事件
●被害額が大きくない
●犯行発覚後に逃亡していない
●被害弁償の意思がある
という点から、一般的には「在宅捜査」で進む可能性が比較的高いと思われます。ただし、出頭拒否・無断欠席・嘘の説明・証拠隠滅・余罪多数・被害者への接触継続・常習性 などがあると、逮捕に切り替わることがあります。したがって、指定日時にきちんと出頭する、勝手に被害者へ接触しないこと等が重要です。
(3)取調べの際に、警察がバイト先に出向く可能性はあるのか。
警察官とともにアルバイト先へ赴く可能性はあります。例えば、犯行現場の状況確認や、店内でどのように移動したのかという動線の確認、犯行方法の確認、防犯カメラの位置確認などを行うために、現場へ同行を求められることがあります。これは、いわゆる「実況見分」や「現場確認」に近い手続として行われるものです。
もっとも、必ず現場へ行くとは限りません。すでに防犯カメラ映像や店舗側の資料、被害者の供述などによって十分な証拠が揃っている場合には、あらためて現場確認を行わずに捜査が進むこともあります。
また、警察と同行することで店舗側へ事件が知られてしまうのではないかと不安に感じる方もいますが、今回のように既に被害届が提出されている場合には、通常、店舗側も事件化していることを把握しています。そのため、警察同行によって初めて発覚するというよりも、既に事情を認識しているケースが多いと考えられます。
(4)被害者が会うことを拒絶している状況下で、どのように適切な謝罪と被害弁償を進めた方が良いのか。
被害者が会うことを拒否している場合に最も注意すべきなのは、無理に接触しようとしないことです。謝罪したいという気持ちが強くても、自宅を訪ねたり、SNSで連絡を取ったり、繰り返し電話をかけたりすると、かえって被害感情を悪化させてしまうおそれがあります。その結果、「反省している」というよりも、「精神的な負担や圧力を与えられている」と受け止められてしまう可能性も否定できません。
このような場合には、弁護士を通じて謝罪や被害弁償、示談の申し入れを行う方法が一般的です。被害者本人が直接の面会を拒否している場合でも、弁護士を介した連絡であれば受け入れてもらえるケースは少なくありません。また、被害弁償についても、弁護士を通じて適切に進めることで、誠意を示すことにつながります。
窃盗事件では、被害回復がなされているかどうかに加え、どの程度真摯に反省しているか、再発防止に向けて具体的にどのような対策を進めているかが、最終的な処分に影響します。そのため、不安なまま本人だけで対応しようとするのではなく、早い段階で弁護士へ相談し、適切な方法で謝罪と弁償を進めることが重要です。

