(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者はダイエットはやらないほうがいい。ダイエットをすれば筋肉も減るのは確実だからです。太り過ぎを気にするのなら、身体を動かすほうがいいといいます。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい』(廣済堂出版)で解説します。

太陽光線を浴びればエネルギーとなる

■太陽の光を浴びよう――太陽エネルギーはバカにできない

 

太陽の光を浴びると、「幸せ物質」のセロトニンがつくられます。

 

よく天気が悪いとうつうつとした気分となり、晴天だと晴れやかな気分になりますね。セロトニンが関係していると考えると、人間というのは単純な生き物だと思います。

 

どんなにテクノロジーが発達しても、太陽光線を浴びてエネルギーとなるのは人間も植物も同じです。人間も地球の上に暮らす生命体のひとつなのです。

 

陽に焼けるほど日光浴をしなくても、大丈夫です。天気がいいときは家のまわりを散歩する、ベランダでコーヒーを飲むなど、陽を浴びる習慣をつくってください。

 

いちばんいいのはウォーキングでしょう。筋肉の維持にもつながります。

 

ある研究では、男性ホルモンが筋肉の中でも生成されているという報告があります。筋力を保つというのは単に自立して歩くためだけでなく、精神のバランスを保つためにも必要なのかもしれません。

 

意気消沈して外に出る気分ではない方も、あのパン屋へ行って好きなパンを買って帰ろう等の目的を持って外に出てみましょう。

 

骨を強くするためにも太陽の光を浴びなさい、とよくいわれます。

 

ビタミンDは、健康な骨を維持するために欠かせないビタミンです。ビタミンDは、魚類やキノコ類などの食品からとるほかに、その一部は日光を浴びることで身体の中で生成することができる特殊なビタミンです。皮下脂肪には、ビタミンDのもとになるコレステロール生成のための中間体があり、それが紫外線に反応してある種のビタミンDをつくります。

 

本当に人間の身体もひとつの奇跡なのです。太陽や食べ物、環境に影響されながら私たちは生きています。

 

また、光を浴びて生成されたセロトニンは、夜になると「メラトニン」というホルモンをつくりだします。このメラトニンは、睡眠ホルモンといわれます。

 

高齢になり「眠れない」という訴えが多くなりますが、老いるとメラトニンが減少していくので仕方がないことなのです。しかし、陽を浴びることでメラトニンを増やすこともできます。

 

それで、不眠の方には、外に出てウォーキングすることをおすすめするのです。

 

体操教室やジムやヨガ、スイミングに行って筋肉を鍛え、人と交流することは大事なことですが、室内での運動だけでなく陽の光を浴びる習慣をぜひつくってください。

 

太陽の光は、一石二鳥どころか三鳥も四鳥も、あなたを元気にしてくれます。

 

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本連載は和田秀樹氏の著書『80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい』(廣済堂出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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