(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者には人が考える以上の個人差があります。しかし、「高齢者の抱える不安の多くは、それほど怖いものではありません」と6000人もの高齢者を診た医師が語ります。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい』(廣済堂出版)で解説します。

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高齢者には人が考える以上の個人差がある

■老いは怖くないが、面倒くさい

 

幸か不幸か、私はたくさんの老いを見てきました。

 

1988年から浴風会病院という高齢者専門の総合病院に勤務することになったのですが、高齢者の専門家、認知症の専門家がそういないこともあって、それ以来、有料老人ホームのコンサルテーション医や保健所の認知症相談、民間病院の高齢者外来に加えて、自分の自費診療のクリニックでアンチエイジング外来をやっている関係から、かれこれ6000人くらいの高齢者を診てきました。

 

そこで知ったことは、高齢者には人が考える以上の個人差があることと、高齢者の抱える不安の多くは、それほど怖いものではないことです。

 

たとえば、多くの人は認知症にだけはなりたくないと不安を持っていることでしょう。

 

しかしながら、認知症というのは、軽いものも重いものも含むスペクトラム障害です。私の診てきた認知症の人でも、軽いうちは医者や弁護士を続けていた人もいました。

 

たしかに重くなると、子どもの顔さえわからなくなったり、人の話も理解できなくなったりします。ただ、逆に重くなったら重くなったで、嫌なことをみんな忘れられるためかニコニコしている人が多いのです。おそらく本人にとっては、これまでにないくらい幸せな状態かもしれません。

 

そんなことを言っても、人に迷惑をかけてしまうという不安をお持ちの人もいるでしょう。

 

ただ、残念ながら突然死でもしない限り、人間というのは、高齢になって亡くなる場合は、最後の時期は歩けなくなりボケてしまうものです。平均寿命まで生きてしまえば、ほとんどそうだと言っていいくらいです。その場合、迷惑かどうかはわかりませんが、人の世話を受けないといけないことはたしかです。

 

ここで、これまで払ってきた税金や介護保険料を返してもらうのだと開き直れば、かなりのレベルのサービスは受けられます。それでも足りなければ、子どもに財産を残さなくてもいいやと開き直って自分の介護に自腹を切れば、おそらく何不自由ない介護を受けられるはずです。家を売って有料老人ホームに入ることもできます。

 

要するに、いま心配していることについてある程度の情報を持てば、ほとんどの不安が杞憂に終わるのです。

 

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本連載は和田秀樹氏の著書『80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい』(廣済堂出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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