「10月25日~31日のFX投資戦略」のポイント
〈ポイント〉
・先週はついに150円の大台も突破、米ドル一段高となったが、その後米利上げ見通し下方修正の動きが広がり、米金利が低下したところで、日本の通貨当局による米ドル売り介入も行われたと見られ、米ドルは急落となった。
・これにより米ドル陽線も9週連続でひと段落となり、この間続いた米ドル高値更新の流れもひと息ついた可能性。今週の予想レンジは、145.5~150.5円を想定。
米ドル急落の背景…米利上げ見通し下方修正と介入戦略
先週の米ドル/円は、ついに150円の大台も突破、その勢いで一時は152円近くまで米ドル一段高となりました。ただここで、「FEDスポークスマン」とも呼ばれる米ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)記者の報道などをきっかけに米利上げ見通しを下方修正する見方が広がり、米金利も低下しました。
こういったなかで、日本の通貨当局による米ドル売り・円買い介入が行われたと見られたことから、米ドル/円は一時146円台まで急落となりました(図表1参照)。
先週金曜日の米ドル/円を巡る動きには、重要なポイントが主に2つあったと思います。ひとつは米利上げ見通しの下方修正。そしてもうひとつは、日本の通貨当局による為替介入の戦略です。
まず、米利上げについては、11月FOMC(米連邦公開市場委員会)で1%、12月FOMCで0.75%の利上げが行われることで、現行3.25%の政策金利FFレート(上限)は、年末までに最高で5%に達するとの見通しとなっていました。
ところが、上述のWSJ報道などにより、11月0.75%、12月0.5%の利上げで、年末のFFレート(上限)は4.5%程度までの引き上げにとどまる可能性が出てきたのです。
米金融政策を反映する米2年債利回りは、一時4.5%を大きく上回り、その上で年末までにFFレートが5%まで引き上げられるようなら一段と上昇しそうな動きとなっていましたが、このWSJ報道などを受けて大きく低下しました(図表2参照)。