政府・日銀の「絶妙な為替介入」で一時146円台だったが…今回も「無駄打ち」で終わるのか【国際金融アナリストが解説】

10月25日~31日の「FX投資戦略ポイント」

政府・日銀の「絶妙な為替介入」で一時146円台だったが…今回も「無駄打ち」で終わるのか【国際金融アナリストが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

先週の米ドル/円は150円の大台を突破したのち、一時152円に迫る場面もありましたが、日本の通貨当局(政府・日銀)の為替介入により、146円台まで米ドルが急落(円が急騰)しました。しかし、足元では再び150円に迫る米ドル/円……今回の介入も「無駄打ち」に終わってしまうのか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が考察します。

米ドル陽線も「9週連続」でひと段落

以上、先週金曜日の米ドルが急反落に転じた背景について見てきましたが、きっかけは米利上げ見通しの下方修正と米ドル売り介入といえるでしょう。

 

ただ、そもそも米金利も米ドルも短期的に「上がり過ぎ」気味になっており、その修正により米金利低下、米ドル反落が起こりやすくなっていたということもありそうです。

 

米金利がこの間大きく上昇したのは、利上げ見通しに反応しただけでなく、最近の英国債急落(利回り急騰)に連れたことで、実態以上の動きになっていた可能性がありそうでした。

 

また、米ドル/円の日足チャートは、木曜日まで何と12営業日連続の米ドル陽線となるなど、さすがにいつ米ドル高がひと息つき、米ドル安に転じてもおかしくない状況になっていました。

 

こういった状況だったからこそ、米利上げ見通しの下方修正や米ドル売り介入に、「米金利急低下=米ドル急落」といった具合に大きく反応する結果になったのではないでしょうか。

 

これを受けて、米ドル/円は週足チャートでも米ドル陽線が9週連続でひと段落となりました。これまでも、米ドル陽線の長い連続記録がひと段落した後は、2~3週米ドル陰線が続きました(図表4参照)。これを参考にすると、今週も米ドルは続落、米ドル陰線となる可能性は注目されます。

 

出所:マネックストレーダーFX
[図表4]米ドル/円の週足チャート(2022年1月~) 出所:マネックストレーダーFX

 

その一方で、米ドルがここから大きく下がるかと言えばそれも疑問です。すでに見てきたように、米国の政策金利のFFレート(上限)は、11月FOMCで4%以上に引き上げられる見通しとなっているわけですから、その意味では米2年債利回りも4%を割れる可能性は当面は考えにくいでしょう。

 

そうであれば、それと連動する米ドル/円も145円を大きく割り込む可能性は低いのではないでしょうか。

 

以上を踏まえると、今週の米ドル/円は145.5~150.5円のレンジでの展開を予想したいと思います。

 

 

吉田 恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

 

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