米景気はどれだけ悪化するのか…今週の米ドル/円は〈147~152円〉と、円安の限界を確認する展開か【国際金融アナリストが解説】

4月1日~4月7日の「FX投資戦略」ポイント

米景気はどれだけ悪化するのか…今週の米ドル/円は〈147~152円〉と、円安の限界を確認する展開か【国際金融アナリストが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

先月の米ドル/円は、146円まで続落したのち、反発に転じました。では、このまま「米ドル高・円安」の展開となるのでしょうか。マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、「その可能性は低い」といいます。この根拠について、昨年7月の市場展開と比較しながら、本記事で詳しくみていきましょう。

4月の「FX投資戦略」ポイント

<ポイント>

・3月の米ドル/円は146円まで続落したあと、反発に転じた。日米金利差(米ドル優位・円劣位)縮小がひと息ついたことが主因であると考えられる。

・ただ、予想以上に日本の金利が大きく上昇し、また米景気の悪化がこの先顕在化する可能性があることから、「日米金利差拡大=米ドル高・円安」は限られそう。

・4月の米ドル/円は145~152円と予想する(第1週の予想は文末をご参照ください)。

3月の振り返り…米ドル/円は「146円」まで下落のあと反発

3月の米ドル/円は、前月からの流れを引き継ぎ146円台まで続落しましたが、月半ばから反転すると、一時は151円台まで反発しました(図表1参照)。

 

米ドル/円は1月の158円から3月までに最大で約12円下落しましたが、これで相場の下落は終わったということなのでしょうか。それとも、このところの反発はあくまでも一時的なものにすぎないのでしょうか。

 

出所:マネックストレーダーFX
[図表1]米ドル/円の日足チャート(2025年1月~) 出所:マネックストレーダーFX

 

米ドル/円続落の動きは、基本的に日米の金利差縮小に沿ったものでしたが(図表2参照)、この縮小も3月半ばにかけてひと息つくところとなりました。これにより米ドル/円の下落もひと段落した、というのが基本的な構図でしょう。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表2]米ドル/円と日米10年債利回り差(2025年1月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

ところで、米ドル/円が比較的大きく下落するなか、為替市場も米ドル売り・円買いポジションに大きく傾斜しました。

 

たとえば、ヘッジファンドの取引を反映するCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、2024年まで買い越し(米ドル売り越し)の最高が7万枚だったにもかかわらず、最近にかけてこの最高を倍近く更新。一時13万枚まで拡大しました(図表3参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表3]CFTC統計の投機筋の円ポジション(2005年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

高い水準から米ドルを売ってきたポジションは、日米の金利差縮小の一服と米ドル/円下落が落ち着いたことを受け、少しでも米ドルが安い水準にあるうちに買い戻し、より効率的に利益確定を目指した可能性があります。

 

ヘッジファンドをはじめ、こうした短期売買を行う投機筋による米ドル買い戻しも、米ドル/円を底固くすることに影響した可能性がありそうです。

 

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