今回の円買い介入は「絶妙なタイミング」で実施
重要なのは、そんな米2年債利回りは、米ドル/円と高い相関関係が続いてきたということです。
FFレートの年内の最終到達点(ターミナルレート)が5%なら、米2年債利回りと米ドル/円のこれまでの関係からすると、米ドル高・円安は155円程度まで一段と進むといった見通しになります。
ただ、FFレートの年内ターミナルレートが4.5%なら、米ドル高・円安は150円程度にとどまるといった見通しになるわけです(図表3参照)。
このように米利上げ見通しが下方修正され、米2年債利回りが大きく低下するなかで、日本の通貨当局による米ドル売り・円買い介入があったと見られると、米ドル/円は一時146円台まで急落となりました。
日本の米ドル売り介入は、9月22日に行われたケースこそ、145円台から140円台まで米ドル急落となりましたが、その後は150円を超えるまで一段と米ドル高・円安が進んだことから介入効果を疑問視する声が強まっていました。
ただ、図表3でも確認できるように、米ドル/円は米金利と高い相関関係が続いてきたので、その関係が変わらない限りは、米金利上昇が続くなかでの米ドル売り介入の効果には自ずと限度がありそうです。
一方で、米金利が低下した場合は、それに連れて米ドルが下落することから、米ドル売り介入も効果が大きくなる可能性があるでしょう。
10月21日の米ドル売り介入は、まさに米金利が低下したタイミングを意識的に狙って動いたことから米ドル急落につながったということではないでしょうか。