計画的な模試活用の先に志望校合格がある
④「五ツ木模試」
延べ17万人(2018年)が受験する近畿圏最大規模の「会場模試」。その受験人数(母数)と、50年以上にわたり実施してきたデータと分析力に基づく、精度の高い志望校判定を売りにしている。(ウェブサイトより)
模試を受ける理由は、先述した通りですが、もうひとつ、息子にとって大きかったのは、冬休みの最終面談前に、模試の結果を踏まえ、本人が第一志望校を確定できたことです。学力を自分なりに分析した結果、ある程度自信を見いだせたようでした。本人に「国高(くにこう)にチャレンジしたい」という覚悟ができ、その言葉を聞いて、親である私たちも腹が据わりました。
もちろん、模試は模擬テストなので、その判定結果を100%鵜呑みにするわけにはいきません。
しかし結果をもとに、合格の可能性を自分たちで推測することはできます。模試結果の分析方法は、後ほど記述しますが、簡単に説明をすると、一番参考にしたのは「国立高校を第一志望にしている人数の中で、自分が何番目だったかという数字」でした。
東京の公立中学の3年生は約7万5000人(2020年)、Vもぎは毎月3万~4万人が受験しているので約半数が受験していることになります。
志望校の受験人数は、昨年度の受験者数を参考にすることができ、「例年何人程度」だとわかります。同じ高校を受験しようと考えている受験生全員が、同じ模試を受けているわけではないとしても、例えば、半分が受けていたと仮定すれば、おおよその順位は予想できると考えました。自分がボーダーライン前後か、もしくは少し余裕があるのか、模試結果の順位から予測しました。
ただし「Vもぎ」は、偏差値が高く出る傾向にあったので、模試の結果だけでなく、志望校の過去問を解いてみた点数と併せ、総合的に判断して、第一志望を確定しました。
下の表を参考に、それぞれの模試の特徴を捉えて、お子さんの目標校、受験スタイルに合わせて模試を活用してください。できれば、どれかひとつは継続受験をして、弱点や学力の推移を定期的にチェックするやり方がいいと思います。
問題の傾向はそれぞれに特徴があるため、どれがいいと述べることは差し控えますが、目指す学校レベルに合わせてチョイスすることが大切です。また、成績の分析や合格判定の見せ方も、各模試によって違っています。
出題傾向や、返却される成績表をウェブサイトやパンフレットで比べるなどして、自分に合った模試を選んで活用しましょう。受験生の入試日までの時間には限りがありますが、もし可能であれば、異なる模試を受験することも、合格判定を比べられていいでしょう。
各模試には回数券があり、3回以上受験する場合は、1回500円などが割引されます。早めに計画を立て、同じ模試を数回活用する場合は、使いたい制度です。
受験生の時間は、無限にあるわけではありません。公開模試は土日や祝日開催のため、受けられる回数が限られます。どの模試が自分の受験スタイルや志望校に向いているのかきちんと調べて、計画的に活用してください。
このように、模試を受けることは塾なし受験の場合、とても重要な意味があります。模試は、自分の受験校に合わせて選び、個人で必ず受けましょう。
そして、最も大切なことは、模試は受けっぱなしにせず、覚えているうちに見直し、解けなかった問題、間違えた問題は、必ず復習することです。繰り返しそうしていくことで、徐々に学力の補強ができ、弱点が少なくなり、得点がアップしていくでしょう。
模試は志望校に合わせてチョイス。
計画的に継続受験して、学力の推移を見よう。
塚松美穂
ライター・教育アドバイザー
学習支援コーディネーター
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