56.6%がメディアを「信頼していない」
■メディアを信頼するのは3人に1人、広がる不信感
情報をめぐる激動の時代の中で、メディアに対する信頼が揺らいでいます。インターネットの浸透で情報入手のルートが多様化し、SNSですべての個人が自由に情報を発信できるようになったことで、大手メディアの“寡占”状態が崩れていることも影響しています。私も含めたメディアの人間ひとりひとりが、あるべきジャーナリズムの使命を果たそうとしているかどうか、その自覚と覚悟も問われています。
「大手メディアは正しい事実を流しているのか。権力の監視という機能をきっちり果たしているのか」
こうした疑念も突き付けられています。
2019年7月、認定NPO法人「言論NPO」が実施した世論調査が公表されました。調査は5月から6月にかけて実施され、有効回答数は1000。「メディア」について「信頼している」と答えた人は32.3%。「信頼していない」は56.6%と大きく上回りました。過半数がメディアを信用せず、メディアを信じている人は3人に1人しかいないことが浮き彫りになりました。
国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(本部パリ)が2021年4月に発表した世界各国の報道自由度ランキングで、日本は前年から順位が1つ後退し、180カ国・地域のうち67位となりました。評価の理由では「伝統的な慣習や経済的な利益が妨げになり、記者が権力監視の役割を十分に果たしていない。菅政権も報道の自由をめぐる状況を改善していない」と厳しく指摘されました。
1位は5年連続でノルウェー。情報が統制されている中国は177位で変わらず。日本は、42位の韓国、43位の台湾を下回っています。国境なき記者団は、言論の自由を守ろうとするジャーナリストによる非政府組織です。つまり、日本は、言論の自由が十分に守られていないと評価されているのです。
アメリカも深刻です。調査機関「ピュー・リサーチセンター」が2019年2月19日から3月4日まで、6000人余りを対象にした調査データをまとめました。「国家にとって深刻な問題は何か」という質問に対して、「ニュースや情報のでっち上げ」と答えた人の割合が50%に上りました。
この割合は「凶悪犯罪」の49%、「気候変動」の46%、「不法移民」の38%、「テロ」の34%を上回っています。そして、「ニュースや情報のでっち上げ」の主体として最も多かった答えは「政治指導者とスタッフ」の57%。「ジャーナリスト」も36%に上りました。メディア不信は深刻な領域に入ったのかもしれません。
岡田 豊
ジャーナリスト
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