高学歴の人も油断禁物の資格試験
■資格試験ではひらめきは要求されないがひっかけ問題が出る
一部の資格を除き、資格試験では、大学入試の英語や国語のような抽象的な長文を読まされることはありません。正誤問題といって、複数の数行程度の文章の中から、誤っている選択肢もしくは正しい選択枝を選ぶ形式のものが多いです。また数学のようにひらめきを要求される問題は少なく、計算問題があっても、正確さと一定以上の速度があれば対応できます。
ただし難関の試験になればなるほど、ひっかけ問題といわれる設問がありますので、暗記すれば誰でも高得点を取れるほどは甘くありません。
実態はともかく学問を究めることを理想に掲げる大学では、一定以上の教養とひらめきがある学生を選抜できる問題を作成します。それに対して独占業務がある資格試験は、専門家としてその業務を担えるかの最低限の知識と資質を判断することを目的に作られます。士業では、些細な書類の作成ミスが大問題を引き起こしますので、注意力があるかどうかを確認するため、ひっかけ問題が出題されるのです。
厄介なことに中高年以上の人のほうがひっかけ問題にはまりやすいのです。それは年齢を重ねるにつれてアンコンシャス・バイアスにとらわれてしまいがちだからです。
アンコンシャス・バイアスは、記憶力や反射神経の衰えと並んで40代以上の人が、試験を受ける際にネックとなるものです。対応策については、第3章で解説しますが、その存在について頭に入れておきましょう。
■高学歴の人でも油断禁物
学生時代の成績が振るわなかった人でも合格できる可能性がある半面、入学試験が難関と呼ばれる大学を卒業した人でも、しっかりとその対策をしないと、何回受験しても合格できない恐れもあります。事実、宅建士試験は、法律系の資格試験の中では入門的な位置づけに属し、司法試験や司法書士試験はもとより、行政書士試験よりは必要とされる学習時間は少ないです。それでも難関大学の法学部を卒業した人でも落ちる人がいます。
社会人になって勉強する習慣がなくなった、中年になって記憶力が落ちたなど様々な理由がありますが、恐らく宅建士くらいはそれほど勉強しなくても合格できるという油断が失敗につながったのではないかと思われます。
■資格試験に即した勉強をする必要がある
レベルの高い高校に通っていれば、授業を真面目に聞いているだけで大学入試に合格するような人もいますが、資格試験では、その対策をしっかりとこなせなくてはいけません。
その対策とは、テキストの読み込みと過去問などの問題演習を丁寧に行うことです。
佐藤 敦規
社会保険労務士
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