タイ・韓国緊密連携の背景
旅行規制が解除されて以来、タイと韓国、両国間の観光交流は勢いを増している。東南アジア諸国から韓国を訪れる観光客はタイ人がトップだが、タイ観光局も来年は韓国から130万人以上の観光客が訪れると見込んでいる。両国の相互目標は、将来的な協力関係にあり、その実現に向けて緊密に連携している。
『Thai PBS World』は、韓国観光公社(KTO)ディレクターのイ・サンウ氏に、国境再開後の観光促進計画やタイと韓国政府間の今後の協力関係について話を聞いた。
韓国の魅力は何でしょう? なぜ、タイ人にとって魅力的なのでしょうか。
両国は、お互いの国をより多く訪れることによってお互いの文化について理解するようになりました。韓国の人々はタイ料理のファンであり、タイ旅行が好きで、いわゆるT-POP(タイのエンターテイメント)の魅力に取りつかれた人もいます。同様にタイ人はK-POPに夢中です。両国の交流が盛んになってきているのは目に見えてわかりますが、観光を通じてこれをさらに充実させていきたいと考えています。もちろん、観光業に携わる者として、すでにタイ人が韓国文化を理解し、評価してくれていることに感謝しています。
韓国観光公社(KTO)バンコク支社の主な役割は何でしょうか。
私たちの主な役割は、タイ人観光客を韓国に誘致することです。新型コロナウイルスの大流行以前、タイは東南アジアで韓国にとって最大の観光市場でした。57万人近くのタイ人が韓国を旅行し、訪問者国籍ランキングの中で上位6位にランクインしました。国境が再び開かれて以降、同ランキングは2位まで上昇しました。タイ市場は非常に重要であり、私たちの組織はこの市場をケアする責任があります。
1982年に設立されたKTOバンコク支社は、本社から3名、残りの4名は現地採用の7名のスタッフで構成されています。韓国人スタッフがタイ料理を楽しみながら生活しているのに対し、現地スタッフは韓国文化が大好きです。プライベートな休暇には韓国へも行くそうです。お互いに尊敬し合っています。私たちのオフィスのバックボーンは、良いチームワークです。今年で40周年を迎えますが、この事務所を開設して以来、観光交流が盛んになり、嬉しく思っています。
パンデミック時の仕事はいかがでしたか。また、パンデミック後に大きく変わったことはありますか。
意外かもしれませんが、実はパンデミックが発生した際も、今と同じくらい忙しかったんです。海外旅行はありませんでしたが、タイのマーケットをおろそかにすることはありませんでした。パンデミックの時期を最大限に活用し、観光マーケティングの観点から「デジタルトランスフォーメーション(DX)を改善するチャンス」と捉えようとしたのです。
つまり、私たちの仕事を変革し、未来に備えるということです。オンラインプロモーションにビッグデータのマーケティング分析を用いるなど、デジタル技術を取り入れました。国境再開に備え、タイ市場を盛り上げようと尽力したのです。今は、タイ人観光客に物理的にも韓国への旅行を促すことができるようになりました。