「高齢化」により悪化しているタイ経済
タイの経済は現在、高齢化が原因で悪化している。短期的な経済問題とその対処法に多くの関心が集まっているが、複数の調査や評価によれば、長期的な経済課題に対して即効性のある解決策は見つかっていない。
最近、世界銀行は、2024年度の政府予算案の承認の遅れと、年初における輸出の伸びが予想を下回ったことを理由に、今年のタイの経済成長率予測を4月の2.8%から2.4%に引き下げた。世界銀行と同様に、タイの調査会社カシコン・リサーチ・センターやSCB経済情報センターなど他の調査機関も、今年の経済成長予測をそれぞれ2.6%と2.5%に下方修正した。
驚異的な家計債務…経済成長率を上げる要因となるのは
経済が停滞しているにもかかわらず、タイ中央銀行(BOT)は利下げを求める声がある中で政策金利を年率2.5%に据え置いた。BOTは金融の安定を守る必要があると主張し、金利引き下げによる借り入れ増加を懸念している。
タイでは、家計債務が国内総生産(GDP)の90%という驚異的な数字を背景に、この分野で緩慢な態度を取ることは許されない。BOTのセタプット・スティワートナルプット総裁も、「中央銀行は将来の見通しを考慮しなければならない」と述べた。
世界銀行は報告書の中で、BOTが金利引き下げに消極的だったのは、財政政策の不確実性を懸念していたからだと記している。政府が5,000億バーツ(約2兆1,740億円)のデジタルウォレット現金配布を実施すれば、インフレ圧力が生じる可能性がある。世界銀行は、今年の経済は持続的な個人消費、観光業の回復、輸出の好転によって牽引されるだろうとしている。
観光・スポーツ省は、2023年の観光客数が2,820万人だったのに対し、2024年には3,610万人に急増すると予測している。特に中国人観光客の増加により、2024年の総入国者数はパンデミック前の水準を上回る4,110万人に達すると見込まれている。
2025年の経済成長率は2.8%に達すると予想されており、これは国内外での需要増と政府支出の増加によるものである。タイの公的債務は持続可能な水準にとどまると予測されているが、政府は高齢化社会を支えるための社会支出と公共投資の増加が求められている。
「タイは、生産性や人口動態の不利な推移による労働人口の減少など、重要な課題に取り組む必要のある極めて重大な時期にある」と世界銀行のタイ担当マネージャー、ファブリツィオ・ザルコーネ氏は述べた。
セタプット氏も世界銀行幹部の見解に同調している。同氏は、「2004年から2013年の間にタイの労働力は1.2%増加し、生産性の成長率は2.6%だった。これに対して、2014年から2023年の間では、労働力はわずか0.04%しか増加せず、生産性の成長率は2.6%で停滞した」と述べた。
より高い経済成長を達成するには、タイはより多くの労働力を必要とするか、労働者一人当たりの生産性を高める必要がある。だがタイは高齢化社会になっているため、労働者数の増加は期待できない。
タイの潜在GDP成長率は現在わずか2.7%で、過去10年間の4%から低下している。
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