トランプ再選後のビットコインの動き
暗号資産の中で最も価値が高いものとされるビットコインの価格が、ドナルド・トランプ氏が米国大統領に再選されてから1ヵ月後の12月5日に初めて10万米ドル(約1,500万円)の節目を超え、前例のない高値に上昇した。
ビットコインの急騰により、市場の専門家たちは、これが単なる新たな強気相場(ブルマーケット、ブルランとも言う)なのか、それともより深い要因があるのかを注視している。
また東南アジアでは、特にタイの若い投資家たちが、以前から暗号資産に対する関心を高めている。
暗号資産は「世界通貨」となり得るのか?
通貨として認められるためには、以下の3つの条件を満たす必要がある。
まず、価値の基準となる「会計単位」として機能すること。次に、「交換手段」として利用されること。そして最後に、「価値の保存手段」として活用できることだ。
ビットコインやその他の暗号資産は、このうち通貨の第二および第三の特性を部分的に満たしているといえる。一部の企業がビットコインを法定通貨のように受け入れる場合もあるが、まだ広く普及しているわけではない。
ビットコインは、信頼できる基盤がない投機的な資産として台頭しており、これは内在的な価値を持つ企業の株式などとは性質が異なる。一部の人々はビットコインを「仮想ゴールド」として位置付けているが、懐疑的な見方も根強い。
著名な世界的投資家であるウォーレン・バフェット氏は、それを有害な金融商品と見なしており、これまでに何度も投資家に対してその危険性を警告してきた。
一方で、特にアメリカ証券取引委員会(SEC)が2024年1月に一部の投資会社に「現物ビットコイン」上場投資信託(ETF)の提供を承認して以降、多くの投資家がビットコインやその他の暗号資産に対してより肯定的な見方を持つようになっている。
この動きにより、これまで個人投資家が主導していた市場に、多くの機関投資家が参入した。
「需要と供給がビットコイン価格の急騰に影響を与えています」と、タイ国立開発行政研究院(NIDA)の金融経済学修士プログラムディレクターであるナダ・チャンソム氏は説明する。
彼女は、2009年のビットコイン誕生以来、多くの投資家がその価格変動のサイクルを理解し、それに基づいて取引を行っていると指摘する。
ビットコインの供給量は2,100万枚に制限されており、現在約1,960万枚が採掘または発行されている。また、ビットコインの新規発行量は4年ごとに半減していく仕組みとなっている。
2024年は半減期の年であり、そのためビットコインは今年上昇サイクルにあるとナダ氏は述べている。「現在はスーパー強気相場(スーパーブルラン)である可能性がありますが、過去最高値から下落することもあり得ます。その後、次の上昇サイクルが訪れるまでには時間がかかるかもしれません」と彼女は予測している。
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