(※写真はイメージです/PIXTA)

資格の場合は、基本的には取得難易度と年収が比例する傾向にあります。しかし、合格までの勉強時間を考慮すると見方が変わってきます。46歳で社労士試験に挑戦し、50代から実務を経験した佐藤敦規氏が著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

資格試験に合格するにはいくらかかるか  

試験を受けるためにはどのくらいの費用が発生するのか、毎月のお小遣いなども制限されている人には気になるところです。資格試験に合格するための費用は、スクールに通うかテキストを購入して独学で進めるかによって異なります。

 

当然ながらスクールに通う場合は高くなり、独学で完結すれば安くなります。

 

■スクールに通う場合・独学の場合

 

社労士や中小企業診断士のように1年間で完結する場合は、20万円前後(宅建士のように半年間で完了する講座は10万円前後)。これに有料のオプション講座や模擬試験を追加すると2万円から3万円、さらに本番試験の受験料として7000円から3万円がかかります。スクールに通う交通費なども発生しますので30万円前後みておくとよいでしょう。

 

ちなみに私は、試験前に肩こりが酷くなったので、その痛みを和らげるため、マッサージに通ったのですが、それなりの金額になりました。

 

完全な独学で受験する場合は、テキストと受験料だけしかかかりませんので数万円程度で済みます。スクールと独学の中間なのが通信講座で、費用的には数万から10万円くらいかかります。

 

通信講座には2種類あります。一つはスタディングやフォーサイトなど通信講座に特化した教育業者で、もう一つはTACなど通学講座を持つ会社が提供するものです。

 

前者のほうが金額は安価で、後者は通学講座とあまり金額が変わりません。

 

■スクールに通ったほうがよいのか?

 

費用だけを見ると独学のほうが圧倒的に安いですが、スクールに通うのと独学、どちらがよいのでしょうか。

 

昨今では、独学の効用を謳う書籍がヒットするなど、独学がブームになっています。資格試験で重要なのは基本事項の暗記なので、独学のほうが効率的のようにも思われます。

 

学生時代、勉強を続けるのが苦でなかった人、塾などにも通わず、そんなに勉強しなかったのにもかかわらず、難関の高校や大学に楽々と入学した人であれば、スクールに通わず、独学で受験してもよいでしょう。

 

そうでなければ(そのほうが多数だと思いますが)、スクールに通うことをお勧めします。その理由は3つあります。

 

1つ目は、独力で勉強計画を立てて計画通りに完遂できる人は、少数派だからです。

 

1000時間の勉強時間が必要とされる試験の場合、1年を超えるような長丁場となりますが、その間、仕事が忙しくなる、環境が変わる、親の介護が必要となるなど勉強を続けるのが困難な時期が訪れます。そうした状況に直面すると、勉強を中断してしまいがちとなります。

 

一度、勉強をやめると、再開するのにエネルギーを必要としますので、勉強自体をやめてしまいがちです。スク―ルに通っても、同じことはあてはまるのですが、高いお金を払ったという事実がある程度の抑止力になります。

 

2つ目は、テキストを読んだり、過去問を解いたりしているとどうしても理解できない論点がでてきた場合、あれこれ調べているうちに1時間くらいあっという間に過ぎてしまうことがあるからです。

 

スクールに通っていれば、講義の後などに講師に質問して数分で解決できることもあります。

 

3つ目は、通学により同じ受験生の仲間を作れる点です。

 

仲間やライバルを作るのは、励みにもなりますので悪いことではありません。また試験合格後も、情報交換などできれば、その資格を活かして転職や独立する場合に役立ちます。

 

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本連載は佐藤敦規氏の著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

佐藤 敦規

日本能率協会マネジメントセンター

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