学歴や職歴による受験資格の制限なし
お勧めする資格は、会社を辞めずに最大1000時間までの勉強時間で合格できることに加え、次の3つの要件のいずれかを持っているものです。
①独占業務がある
②転職に有効
③独立開業できる
独立開業というと身がまえてしまう人が多いと思われますが、起業して事務所を構えるような派手なものではなく、業務委託として今まで働いていた会社から仕事を貰いながら自宅で堅実に行うこともできます。
高齢者雇用安定法の改正により、企業は70歳まで継続雇用するように努力しなければなりませんが、65歳以上になると業務委託という形態に変更することも認められています。
その資格を持った人でないとできない業務を独占業務といいます。例えば、住宅を購入する際、不動産契約を締結しますが、その重要事項の説明は宅建士という資格を持った人でないとできません。不動産会社の社員であれば、誰でもよいというわけではないのです。
独占業務がある資格は、資格がなければ誰も参入できないため、独立開業する際に有利となります。3つの要件を複数満たしている7つの資格を紹介します。
一部の試験を除き、学歴や職歴による受験資格の制限がないのも魅力です。なお必要勉強時間については、実務経験の有無などによって、人により異なります。
(1)社会保険労務士
・試験日:毎年8月下旬
・必要勉強時間:1000時間
・受験資格:短大卒・専門学校卒以上の学歴を持つ人か3年以上の実務経験
・ 主な受験層:総務部や人事部に勤務するビジネスパーソン、税理士法人(事務所)や社労士法人(事務所)などの事務所で働く事務員
・どんな資格
社会保険労務士法に基づいた国家資格です。労働・社会保険の問題の専門家として、労働保険・社会保険諸法令に基づいて、書類や申請書等を依頼者に代わって作成し、労働局や年金事務所に提出します。これは社会保険労務士にだけ認められた独占業務です。
・お勧めする理由
働き方改革が推進される前は、中小企業の給与計算や労働・社会保険の申請手続きを代行する地味な存在でした。しかし働き方改革により、残業時間の削減、同一労働同一賃金への対応、ハラスメント対策など、企業の人事・賃金制度の見直しや構築のための外部専門家として、その役割を期待されるようになりました。大企業と異なり、中小企業にはこうした問題を解決できる専門家がいないため、毎月の顧問契約を依頼されます。
(2)行政書士
・試験日:毎年11月第2日曜日
・必要勉強時間:700時間
・受験資格:特になし
・ 主な受験層:最近では、司法試験、司法書士試験などの試験を受ける前の練習に受験する学生が増えています。
・どんな資格
行政書士法に基づく国家資格です。役所に対して行うあらゆる手続きの専門家。許認可の代行を担うほか、身近な街の法律家として外国人労働者の在留資格取得や相続の相談など業務は多岐にわたります。
・お勧めする理由
食えない資格という声が強いですが、許認可や在留資格の取得代行などの業務では根強い需要があります。ニッチな分野を発見して開拓できれば高収入を得られます。学歴や職歴などが関係なく試験に合格すれば開業できる点も魅力。