団塊世代退職で有資格者不足が表面化
(3)土地家屋調査士
・試験日:筆記試験10月第3日曜日、口述試験(筆記試験の合格者)1月中旬(予定)
・必要勉強時間:1000~1500時間
・ 受験資格:特になし(「測量士、測量士補、一級建築士若しくは二級建築士となる資格を有する者又は午前の部の試験について筆記試験に合格した者と同等以上の知識及び技能を有するものとして法務大臣が認定した者」は、申請により午前の部の試験が免除)
・どんな資格
不動産を登記する際に必要な土地家屋の測量を行う。
・お勧めする理由
測量の機材を揃える必要がある、野外での作業があるなど新規参入の障壁があるため、競争相手が少なく、資格者の平均年齢も高いため、40代で若手になります。ひとまず軌道に乗れば継続して仕事を確保できます。
(4)中小企業診断士
・試験日:1次試験:8月、2次試験:(筆記)10〜11月、(口述)翌年1月
・必要勉強時間:1000時間
・受験資格:特になし
・どんな資格
中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家。経済産業省が管轄する補助金申請などからクライアントを開拓する人もいます。
・お勧めする理由
独占業務はありませんが、自分自身の得意分野と、中小企業診断士資格を組み合わせるとコンサルタントして独立できます。例えば、営業経験者であれば、営業支援コンサルタント、ITが得意であれば、DX推進コンサルタントなどといった具合です。人材確保、生産性のアップなどの悩みを抱える中小企業は多いので需要はあります。
(5)宅建士(宅地建物取引士)
・試験日:毎年10月第3日曜日
・必要勉強時間:400時間前後(まったくの初心者から始める場合)
・受験資格:特になし
・お勧めする理由
不動産業者は、事務所ごとに従業員5人に1人以上の割合で必ず専任の宅建士を置くよう法律で定められていますので、年齢・経験不問で採用される可能性があります。不動産業以外の金融業でも、宅建士資格があれば、優遇されることがあります。
国家資格の中では少ない勉強時間で合格可能。その割には社内での昇進、転職、独立と幅広い分野で活躍できます。さらに不動産業界は、土日に仕事が集中するため、士業の中では、副業を始めやすいです。コストパフォーマンスの面で優れています。
(6)米国公認会計士
・試験日:年間を通じて受験できるので、都合に合わせて受験日が選べる。
・必要勉強時間:1000時間
・ 受験資格:原則として4年生の大学の卒業者(州によって例外あり)と会計・経理などの実務経験があること
・お勧めする理由
英語と会計が分かる人材として外資系企業に転職する際、または海外で働く際のアピールポイントにもなります。受験費用はそれなりにかかりますが、日本の公認会計士よりも少ない勉強時間で合格できるのも魅力の一つです。外資系企業は、給料面に関して日系企業よりも総じて高いので大幅な年収アップが図れます。年間を通じて受験できるので、都合に合わせて受験日が選べます。
(7)1級建築施工管理技士
・試験日:一次試験・6月中旬、二次試験・10月中旬
・必要勉強時間:400時間(実務経験により異なる)
・受験資格:大卒(学部の指定あり)の場合3年以上の実務経験
・お勧めする理由
1級建築施工管理技士は、建設業法に定められた建築業29業種中建築工事関係17業種の許可に際して、営業所ごとに置かなければならない専任の技術者並びに工事現場ごとに置かなければならない主任技術者または監理技術者となることが認められています。
有資格者の保有率の高い団塊世代の退職が相次いだことにより、有資格者の不足に拍車がかかっており、1級建築施工管理技士の需要は高まっています。高齢になるほど転職は難しくなりますが、資格取得者はそんなことがありません。
佐藤 敦規
社会保険労務士
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