働きながら、仕事に役立つ資格や転職に役立つ資格を取りたいと考えることがあると思います。しかし、働きながら資格を取ることは、勉強時間を確保するのは大変です。46歳で社労士試験に挑戦し、50代から実務を経験した佐藤敦規氏が著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

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会社を辞めずに合格できる準難関資格を選べ

書籍やWebで調べると様々な資格があることに気がつきます。その中からどれを選べばよいのでしょうか? 

 

職務履歴や特技を活かせる資格を探すのは大事ですが、もう一つ忘れてはならないことがあります。

 

それは狙うべき資格試験の難易度。弁護士(司法試験)、公認会計士、税理士などの超難関資格を目指すのは、法務部門や経理などの実務上、関連する仕事に就いていたとしても現実的ではありません。

 

では資格試験の難易度はどのようにして確認すればよいのでしょうか?

 

高校や大学の入学試験のように資格試験を偏差値でランキングしたWeb上のサイトもありますが、無理があるかもしれません。かつてのセンター試験や予備校が実施する模擬試験のように受験生が揃って受験する試験がなく、共通の尺度がないからです。

 

合格率は一つの目安とはなりますが、受験者層のレベルもありますので倍率が低くてもやさしいとは限りません。確実なのは、合格するために必要な勉強時間です。

 

Web上で「資格試験 勉強時間」と入力して検索すれば、各資格試験に必要とされる勉強時間が分かります。1000時間前後を上限として、それ以上の勉強時間が必要とされる資格試験に挑戦するのはお勧めしません。

 

なぜなら、会社を辞めずに働きながら1年から2年で合格するのが難しいからです。

 

1000時間でも毎月に直すと80時間以上になりますが、働きながらこれだけ勉強するのは、残業時間がゼロだとしても肉体的にも精神的にもハードです。会社の仕事で毎月80時間以上の残業が続いて体調を崩した場合は、労災に認定されますが、そのくらいの負荷が生じます。

 

「働きながら公認会計士や税理士試験に合格した人の書籍やWeb記事を見た」と反論したくなる人もいるかと思います。

 

たしかに会社を辞めずに難関資格に数年で合格してしまう人もいないわけではありません。でもそのような人は例外であり、だからこそ本や記事になったりしているのです。

 

無名校から東大を目指す『ドラゴン桜』や、学校での成績下位の人が慶應大学合格を目指した『ビリギャル』などの漫画や書籍が大ヒットしました。東大や慶應のように誰もが難関大学と認識する大学なのでコンテンツとして成功したのです。

 

これが東京にある某中堅大学に合格したというストーリーでしたら、その大学は何処にあるの? 入学試験は難しいの? という反応でヒットしないでしょう。

 

資格試験も同じです。働きながら社会保険労務士試験や土地家屋調査士試験に合格したといっても、そもそもその資格を知らない人もいるので、話題にはならないのです。

 

現実的には、勉強をあまりしてこなかった高校生が突然、猛勉強を始めたからといって東京大学に合格するのは、極めて難しいといえます。私立のトップといわれる早稲田大学や慶應大学でも同じかもしれません。

 

しかし準難関大学といわれるMARCH(関東地方の私立大学。明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学の頭文字を組み合わせた略語)や関関同立(関西地方の私立大学。関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の頭文字を組み合わせた略語)といわれる大学であれば、あまり勉強をしてこなかった高校生でも1年または2年くらい集中して勉強すれば合格可能でしょう。

 

過去を振り返ってみれば、みなさんの周りにもそのような人はいたのではないでしょうか。

 

これから紹介する資格は、数ある資格の中であえて難易度の序列をつけるとしたら、大学入試でいえばそのレベルまでのものです。

 

1000時間前後の勉強時間で合格できる資格試験の中から、自分の希望と職歴を加味して、目標とする資格試験を選ぶのをお勧めします。

 

次ページなぜ「資格」を取ると長く働けるのか

本連載は佐藤敦規氏の著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

佐藤 敦規

日本能率協会マネジメントセンター

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