2022年調査の主なポイント
■業界全体の顧客満足度は前年から横ばいに止まる
クレジットカード4部門合計の総合満足度スコアは前年から+1ポイントとほぼ横ばいであった。
ファクター別には「クレジット機能」、「手続き・サポート」、「年会費」の3ファクターが向上し、なかでも「年会費」、「手続き・サポート」ファクターは+10ポイント以上向上した。一方、「ポイントプログラム」、「会員向けサービス/特典」の2ファクターは前年から横ばい圏内の動きに止まった。
■メインカードのヘビーユーザー(※)の満足度が低下
※クレジットカードを2枚以上保有し、保有クレジットカード全体の1ヵ月の平均支払い金額が10万円以上で、主利用カード(メインカード)の利用比率が80~99%の利用者をメインカードのヘビーユーザーと定義した。
業界全体の総合満足度が前年から横ばいのなか、メインカードのヘビーユーザーの総合満足度は前年比-13ポイントと大きく低下した(図表5)。
特に「ポイントプログラム」における満足度は-20ポイントと、最も大きな低下となった。他にも「クレジット機能」、「会員向けサービス/特典」、「手続き・サポート」ファクターの中の「コールセンター」において-10ポイント以上低下している。
■モバイルアプリ利用者の満足度が高い
モバイルアプリの利用者が増えている。利用明細(請求金額)の確認でのモバイルアプリの利用は、2021年から+5ポイント増加し、本調査では29%となった。ウェブサイト(ホームページ)/モバイルアプリによる各種手続きや問い合わせも、前年から+4ポイント増加し23%となった(図表6)。
利用明細(請求金額)の主な確認方法別に総合満足度を見ると、「モバイルアプリ」が最も高く(676ポイント)、「ウェブサイト(パソコン用・スマートフォン用ホームページ)」(641ポイント)や「郵送物(紙)」(613ポイント)を大きく上回っている。
ウェブサイト(ホームページ)/モバイルアプリによる各種手続きや問い合わせの方法別に総合満足度を見た場合にも、「モバイルアプリ」が最も高く(712ポイント)、「スマートフォン用ウェブサイト」(691ポイント)や「パソコン用ウェブサイト」(667ポイント)を上回っている(図表7)。
■J.D.パワーグローバル・ビジネス・インテリジェンス部門 常務執行役員 梅澤希一のコメント
「今回の調査では、メインカードヘビーユーザーの総合満足度の大幅な低下が確認されており、これは「ポイントプログラム」に対する満足度の低下が主因となっている。こうした背景には、新型コロナ感染拡大を受け顧客の行動様式が変容するなか、各クレジットカード会社が提供する「ポイントプログラム」や「会員向けサービス/特典」の見直しが顧客のニーズに合っていないことが考えられる。
足許では、行動制限が緩和されるなか、ヘビーユーザーの「タクシー」や「百貨店/ショッピングモール/駅ビル」などでの利用率が上昇しており、今後はこうした顧客行動様式のさらなる変化に対応した「ポイントプログラム」や「会員向けサービス/特典」を提供することで、メインカードヘビーユーザーの満足度向上を図ることが重要といえる」
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