転職する人は増加したものの、起業したり個人事業主に転向する人が増えたわけではありません。理由は明白です。起業したり、副業を始めたりするためには、会社に頼らず、個人でも稼げるスキルと信用が必要だからです。46歳で社労士試験に挑戦し、50代から実務を経験した佐藤敦規氏が著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

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なぜ「資格」を取ると長く働けるのか

■定年に関係なく働ける

 

平均寿命の延びや社会保障の財源を確保するため、政府は70歳まで働くことを推奨しています。それに伴い労働法関連の法律も改正されていますが、60歳を過ぎると、今まで通りの収入や責任がある仕事に就くのが難しい状況になっています。お金の面もさることながら、補助的な仕事になり、やりがいが減少するのは問題でしょう。

 

その点、資格を取得して独立すれば、年齢に関係なく働き続けることができます。実際、70歳になってもクライアントから頼りにされ、バリバリ働いている先生もいます。

 

サムライ業ともいわれる士業だけでなく、施工管理者なども同様です。70歳を過ぎても責任ある仕事を任され、なくてはならない存在として働き続けている人もいます。

 

■能力の証明になるので副業をする場合は稼ぎやすい

 

会社員の給料が頭打ちになっていることから、ここ数年副業の必要性が叫ばれています。しかしメディアが取り上げる割には、実践している人は増えていない状況が続いています。

 

理由はいくつかありますが、思うように稼げないというのも要因の一つだと考えられます。

 

例えば、Webライターの仕事をやってみたが、予想よりも時間がかかった。とても月に5万円など稼げないと思って、やめてしまう人もいるでしょう。

 

フリーランスのライターとして仕事を受ける場合、実績がない間は下請け的な仕事が中心となるのでやむをえない面があります。しかし資格があれば、早い段階で署名記事といって名前がでる形で原稿が書ける可能性も高まります。そうなれば、原稿料も大幅にアップします。

 

〇△の専門家だと自称しても、知らない人から見たらどのくらい、すごいのか分かりません。Zoomなどを利用してオンラインのセミナーの講師の副業をする場合も同様です。誰でもそのノウハウを教えることでお金にかえることができるようになった半面、無名な人が集客するのは難しいでしょう。

 

資格を持っていれば、信頼性が高まります。資格を活かした副業の始め方については、別途紹介します。

 

■Iターンも可能

 

大学進学や就職を機に東京や大阪、名古屋などの大都市圏に移住する人は多いです。実際、都会のほうがお金を稼げる仕事は多く、また大都市ならでの利便性も享受できます。半面、家賃などの生活費が高い、長い通勤時間が苦痛などの理由で地方に戻りたいと考える人もいるのではないでしょうか? 

 

その際に問題となるのが、仕事がないという状況です。しかし、資格があれば比較的、容易に見つかることもあります。独立開業をしなくても、宅建士や施工管理の資格があれば、転職しやすいからです。

 

■先生業として著者や講師としてデビューできる可能性がある

 

著者や講師となるのは、その道のエキスパート。目指す資格試験に合格できても、今さらプロにはなれないと考えている人は多いと思われます。

 

私自身もそうでした。社労士試験に合格した後でも本を出すなど、想像もつきませんでした。

 

たしかに以前は、本を出したりセミナーの講師を務めたりする士業の先生は、その分野で名が知れた大家という存在でした。

 

今では少し求められるものが変わりつつあります。専門知識ではなく、実際の運用面のノウハウが重要になりつつあります。そうなりますと、士業の経験が短くても、会社員経験が長い人には機会が回ってくるようになります。

 

また本書や『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(クロスメディア・パブリッシング)のように、資格試験の勉強法について書いて欲しいという依頼がかかることもあります。

 

佐藤 敦規
社会保険労務士

 

 

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本連載は佐藤敦規氏の著書『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法

佐藤 敦規

日本能率協会マネジメントセンター

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