(※写真はイメージです/PIXTA)

「認知症=怖い」はもう古い。医療・介護・福祉・高齢者問題をテーマに活躍、多数の著書を持つジャーナリストと、メディアや新聞各社でも多数活躍する司法書士との共著『認知症に備える』より、そもそも認知症とはなんなのか、認知症になったらどんなことに本人が困るのか、もしくは困らないのか、どのような制度が利用できるのか等、すぐ実生活に活かせるようなヒントを、以下抜粋して紹介する。

認知症を起こす病気には、大きく分けると3つの原因があります。

 

まずは脳の神経細胞の異常が原因で起こる「変形性認知症」。これには、認知症でもっとも多い「①アルツハイマー型認知症」(アルツハイマー病=海馬や前頭葉の脳細胞が広範囲で委縮する)や、近年、注目されている「②レビー小体型認知症」(レビー小体病=大脳皮質に「レビー小体」と呼ばれるたんぱく質がたまる)、そして、ピック病とも呼ばれる「③前頭側頭型認知症」(前頭側頭葉変性症=思考や感情をコントロールする前頭葉と言葉の理解や記憶にかかわる側頭葉が委縮する)などがあります。

 

そして、2つめの原因は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など、脳の血管障害による「④脳血管性認知症」です。

 

代表的な認知症は右の①から④の4つですが、それぞれ症状も特徴もちがいます。①アルツハイマー型認知症の初期の特徴はもの忘れ、そして、それまでやってきた料理や仕事などにだんだん支障が出てくることです。

 

いっぽう②レビー小体型認知症では、初期にはもの忘れがない人も少なくありません。また、見えないものが見える幻視や、つま先で小刻みに歩くパーキンソン病のような症状、睡眠障害などが出てくる人もいます。うつ病などの精神障害と間違えられることも少なくありません。

 

③前頭側頭型認知症では、穏やかだった人が怒りっぽくなるなど、性格が変わったようになる人が多いのが特徴です。また、同じ時間に同じ行為を毎日することにこだわるようになる人や、万引きなど社会の規範から外れた行動をしたり、言葉が出なくなる人もいます。若年認知症に多いのも特徴です。

 

④脳血管性認知症では、血栓ができる箇所によって記憶障害、性格の変化など、さまざまな変化があらわれます。大きな梗塞があったり、大量の出血をした場合は、からだの麻痺や失語などの症状(高次脳機能障害)を伴うこともあります。

 

<関連記事>
あれっ、スポーツ番組ばかり観てる…?「認知症の前段階」に現れる“何気ない変化”【医師が解説】

認知症患者の老々介護…「家をバリアフリーに改装したい」と言う夫を医師が“止めた”ワケ

認知症が進行しても「施設に入らず、自分の家で過ごせる人」に共通する資質

認知症に「備えていた人」「備えていなかった人」その後の“選択肢”の圧倒的違い

銀行員「後見人を付けないと対応できません」は大ウソ。認知症高齢者600万人以上の今、伝えたいこと

 

認知症に備える

認知症に備える

村山 澄江,中澤 まゆみ

自由国民社

「認知症=怖い」はもう古い! そもそも認知症とはなんなのか、認知症になったらどんなことに本人が困るのか、もしくは困らないのか、生活はどのように変化するのか、どこに何を相談できるのか、法的な制度としては、認知症に…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録