(※写真はイメージです/PIXTA)

「認知症=怖い」はもう古い。医療・介護・福祉・高齢者問題をテーマに活躍、多数の著書を持つジャーナリストと、メディアや新聞各社でも多数活躍する司法書士との共著『認知症に備える』より、そもそも認知症とはなんなのか、認知症になったらどんなことに本人が困るのか、もしくは困らないのか、どのような制度が利用できるのか等、すぐ実生活に活かせるようなヒントを、以下抜粋して紹介する。

ノートの切れ端に書いた遺言は有効なのか

実際にあった事例をご紹介しましょう。

 

亡くなった一郎さん(仮名)には子どもがなく、両親もすでに他界していたので、法定相続人は兄弟姉妹と甥と姪でした。相続人のうち、故人と親しくしていたのは弟の次郎さん(仮名)ひとりだけで、他の相続人全員とは疎遠になっていたというケースです。

 

一郎さんは生前、ノートの1ページを切り離した紙に、「すべての財産を弟次郎へ相続させます。」という文言と日付を記載し、署名・押印をして遺していました。

 

封筒にも入っておらず、そのままの状態です。果たしてこのメモ書きは遺言書として有効なのでしょうか。

 

遺言書は封筒に入れて封をしておかなければならないようなイメージがありますが、実は自筆証書遺言は封筒に入っていなくてもよいのです。

 

封筒に入っている場合は、家庭裁判所の「検認」という手続きで開封する必要があり、勝手に開けてしまうと5万円以下の過料になりますのでご注意ください。

 

この事例では、家庭裁判所で検認の手続きをして、法務局と銀行に提出したところ、正式な遺言として扱われ、すべて弟の次郎さんへ相続させることができました。

 

たまたま発見されたからよかったものの、もしもあのノートが見つからなかったら、相続人全員での話し合いは実現が難しく、一歩も進めなくなる可能性のあるケースでした。

検認とは

「検認」とは、相続人に対し自筆証書遺言の存在やその内容を知らせるとともに、検認の日時点における遺言書の内容を明確にし、遺言の偽造・変造を防止するための手続きです。遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に申立てをし、指定された日に相続人(全員でなくてもよい)が家庭裁判所に集まり、裁判官が開封して検認します。

 

検認が終わると遺言書に証明書が付けられます。この証明書が付いていないと、金融機関や法務局等で、相続した財産の名義を移転するなどの手続きが行えないため、自筆証書遺言での相続においてとても大切な手続きのひとつなのです。

 

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