(※写真はイメージです/PIXTA)

「認知症=怖い」はもう古い。医療・介護・福祉・高齢者問題をテーマに活躍、多数の著書を持つジャーナリストと、メディアや新聞各社でも多数活躍する司法書士との共著『認知症に備える』より、そもそも認知症とはなんなのか、認知症になったらどんなことに本人が困るのか、もしくは困らないのか、どのような制度が利用できるのか等、すぐ実生活に活かせるようなヒントを、以下抜粋して紹介する。

認知症本人の声を聞く

この20年、認知症に対する考え方が大きく変わってきました。その背景には、認知症になった本人たちが声を上げてきたことがあります。

 

それまでの認知症は家族や医療介護の専門職など「介護する側」の視点でとらえられてきましたが、本人が自分たちの声でそれぞれの体験や、日々の生活でどんなことに困難を感じているのかを語り始めたことで、認知症の人たちが必要としていることがだんだんわかってきました。

 

認知症の本人たちが出版した本を読むと、認知症に対する認識が大きく変わってくると思います。

 

まず、本を読むことでわかってくるのは、「認知症って本当にさまざまなんだなぁ」ということです。

 

記憶障害がまったくない人もいますし、空間の感覚がないため、着替えるのに数時間かかる人もいます。夜中に人がたくさん集まる幻視を見る人もいますし、時間の感覚がないので、タイマーが必要な人もいます。

 

認知症をひと言でくくることはできないということを、本人たちの書いた本はまざまざと教えてくれます。

 

もうひとつは「人とのつながりが大切なんだなぁ」ということです。認知症の人たちは認知症と告げられたショックで、引きこもりなど苦しい時期を経験しています。

 

しかし、その苦しさのなかで理解者や仲間と出会うことで、生きるちからを取り戻していきます。人や社会とのつながりは誰にも大切なものですが、孤独になりがちな認知症の本人や介護家族にとっては、とりわけ外の世界とのつながりが必要です。

 

そして、認知症になってその人の人格や行動が変わったように見えても、本人の根本が変わるわけではないということも、本を読むと理解できるでしょう。

 

症状が進行しても「好き」と「嫌い」は変わりません。本人にとって好きなことを増やし、嫌いなことを押し付けたりしないように心がければ、本人はもちろんのこと、介護する人も楽になるということを知っていただきたいと思います。

 

認知症の人はたくさんの不便を抱えていますが、本人たちはそれを補ういろいろな工夫をしています。スマホ、タブレット、ヘルプカード、本人が行先を理解できる手づくりの地図……。不便を補うためには、ときにはパートナーと呼ばれる伴走者も必要です。

 

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