(写真はイメージです/PIXTA)

「利用規約に同意したものとみなします」という文言を見たことはありませんか? このような言い回しが曖昧な利用規約は、ユーザーとのトラブルを招く原因になると、企業法務に詳しいAuthense法律事務所の西尾公伸弁護士はいいます。本記事では、トラブル化を防ぐ利用規約を作成するための規約への同意条件や規約変更時の注意点などを裁判化してしまった事例などをもとに解説します。

利用規約に関する日本の裁判例

利用規約や約款に関する近時の事例として、次のようなものがあります。主として、事業者と適格消費者団体とのあいだで消費者契約法の適用が問題となった事例です。

 

「利用規約が明確性を欠く」とされた事例

株式会社ディー・エヌ・エーが運営するゲームサイト「モバゲー」において、その利用規約に

 

「他の会員に不当に迷惑をかけたと当社が合理的に判断した場合」

「会員として不適切であると当社が合理的に判断した場合」

「当社の措置により会員に損害が生じても当社は一切損害を賠償しない」

 

旨を定めており、これらの利用規約条項が不当であるとして適格消費者団体が差止めを求めて提訴した事例です。※2※3

 

※2 朝日新聞デジタル:モバゲー規約「明確性欠く」 高裁、DeNAの控訴棄却

※3 日本経済新聞:モバゲー規約、二審も「不当」 利用停止の賠償応じず

 

東京高裁令和2年11月5日判決は、

 

「「合理的に判断した」の意味内容は極めて不明確であり、「合理的な」判断をした結果会員資格取消措置等を行ったつもりでいても、客観的には当該措置等が債務不履行又は不法行為を構成することは十分にあり得るところであり、そのような場合であっても、本件規約7条3項により損害賠償義務が全部免除されると主張し得る」

 

として、「一切損害を賠償しない」との条項は、消費者契約法第8条第1項第1号前段及び同項第3号前段に該当すると判示し、差止めを認めました。

 

「携帯電話利用契約の約款変更条項の有効性」が争われた事例

携帯電話利用契約において、約款内に携帯電話事業者が「当社は、この約款を変更することがあります。この場合には、料金その他の提供条件は、変更後の約款によります」と定めていました。※4

 

※4 国民生活センター 消費者判例情報評価委員会:暮らしの判例

 

この条項が不当であるとして適格消費者団体が提訴しましたが、結果的に「消費者の利益を一方的に害する条項」(消費者契約法10条前段)には該当しないと判示されました。

 

ただし、本件では不特定多数の相手方に対して均一に提供することを目的とするサービスの特殊性が考慮されたものであり、一般的にこのような条項に問題がないと示されたわけではない点に注意が必要です。

 

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    本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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