例外的に告知すべきケース
上で整理とした告知義務の有無は、あくまでも原則的な場合です。 上の例で告知不要とされたものであっても、次の場合には告知する必要があります。
1. 借主から質問された場合
たとえ告知不要とされた内容であったとしても、入居希望者からその物件での人の死の有無などを問われた場合には、宅建業者は入居者に対して知っている情報を告げなければなりません。
ただし、賃貸物件オーナーが宅建業者に対して無回答である場合や不明であると回答した場合には、宅建業者はその回答を入居候補者に告げればよいこととなっています。
そうであるとはいえ、賃貸物件オーナーは実際には死亡事案を知っているにもかかわらず死亡事案は無いと嘘をついたり、無理に隠したりすることは避けましょう。 嘘を信じて入居をした入居者がのちに死亡事案があった事実を知った際に、トラブルの原因となる可能性があるためです。
2. 社会的影響の大きさなど特段の事情がある場合
借主から特に質問をされなかったとしても、社会的影響の大きさから入居者が把握しておくべき特段の事情があると宅建業者が認識した場合などには、告知をする必要があります。
この場合も、賃貸物件オーナーが宅建業者に対して無回答である場合や不明であると回答した場合には宅建業者はその回答を入居候補者に告げればよいこととなっていますが、上記の場合と同様、無理に隠したり嘘をついたりすることは避けましょう。
瑕疵物件になってしまった賃貸物件への対応策
所有する物件が瑕疵物件になってしまった場合、物件オーナーはその物件に対してどのような対応を取ればよいのでしょうか? 3つの対応策と、1つの予防策を紹介します。
家賃を下げる
瑕疵物件となってしまった場合には、相場どおりの賃料では入居者が集まらない可能性が高いでしょう。 そのため、一時的に家賃を下げるなどの対応が必要となります。
リフォームをする
設備や建物自体に瑕疵がある場合には、修繕やリフォームにより瑕疵が消滅することで、通常どおりの賃貸が可能となります。 修繕やリフォームには費用はかかるものの、長期的に見れば入居者募集への障害がなくなりプラスとなる可能性があるため、総合的に判断をするとよいでしょう。
また、心理的瑕疵物件となってしまった場合や環境的瑕疵物件である場合であっても、リフォームによりおしゃれな内装としたりコンセプトを打ち出したりすることで、瑕疵への嫌忌よりも内装のおしゃれさや自身に合うコンセプトを重視する層を呼び込むことができる可能性が高くなります。
ただし、この戦略が成功するかどうかはその物件のある地域の地域性などに左右される可能性が高いため、専門のコンサルタントやデザイナーなどに相談するとよいでしょう。
遺族に損害賠償請求をする
入居者の自殺により心理的瑕疵物件となってしまった場合には、遺族に対して損害賠償請求ができる可能性があります。 請求できる内容は、特殊清掃など物件の原状回復に要した費用のほか、一定期間の賃料が下落することによる逸失利益相当分となる場合が多いでしょう。
請求の可否や請求できる金額は個別事案によって異なりますので、心理的瑕疵物件となってお困りの際には、早期に弁護士へ相談するようにしてください。
保険を活用する
事前にできる心理的瑕疵物件への対策として、保険の活用が挙げられます。 保険会社によっては、賃貸住宅内で死亡事故が起きたことなどにより入居者を入れることができない空室期間や家賃を下げる必要が生じた場合に、家賃の損失を補償してくれる商品を取り扱っている場合があります。
補償内容や保険料などは保険会社によって異なりますので、損害保険会社へ相談してみるとよいでしょう。
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