老いの個人差が大きくなるのが70代
■70代はまだ若いのです 昔のイメージにとらわれていませんか?
あなたがまだ20代の頃、「70歳」と聞いてどう思いましたか。
ヨボヨボのおじいさん、腰の曲がったおばあさん、盆栽を手入れしている、孫に囲まれて余生を送っている。そんなイメージがあったのではないでしょうか。
いま、自分が70歳に近づいてみて、あるいはなってみていかがでしょうか。
50代は働き盛りでした。60代になると、少し「もう若くないな」と感じてきたでしょう。以前のように夜更かしもできなくなったし、あれもこれも同時進行で仕事ができなくなった。それでも定年延長、再雇用で仕事を続けてきました。65歳で年金をもらっても、まだ働ける身体があります。
70歳になると、そろそろ自分の人生の残り時間が気になりだします。
病気のひとつやふたつは持っているかもしれません。心配ごとも抱えたり、先行きに不安になったりもします。
でも、いまのあなたは、まだまだ元気です。背筋もしゃんとしているし、足取りもしっかりしています。町に出て買い物をしたり、書店で本を探したり、観たい映画をやっていれば「ひさしぶりだな」と映画館に入ったり、美味しそうなラーメン店を見つければ「この店か、最近ネットで評判なのは」と気がついて入ってみることもできます。
そうです。いまの70代は町を自由に歩けるし、パソコンも使える、身体は、多少のメンテナンスは必要だけど、まだまだ元気だという人が多いはずです。
2020年の日本人の平均寿命は、女性が87.74歳、男性が81.64歳となり、男性も80歳を超えていて、過去最高を更新し続けています。世界で見ると、女性は1位で、男性はスイスについで2位となります。平均寿命が延びた原因には、医療技術の進歩や健康意識の高まり等があげられています。
この平均寿命は、この年に生まれた0歳児が何歳まで生きるかの予測なので、あなたの世代についての正しい目安ではないかもしれませんが、現在の高齢者も長生きし、90代で元気な人がいても驚かれなくなってきたことはたしかです。
若いうちは、高齢者のことは目に入りません。見たいものしか見ない人間の習性もあるのでしょう。70代に近づいたり、70代になったあなたは見たくないけれど、高齢者の現実が目に入ります。そこで気がつくはずです。
70代後半から80代になっても若々しい人がいる一方で、老け込んでしまう人もいます。同窓会に顔を出してみると、はっきりわかります。老いの個人差がどんどん大きくなっていくのが70代です。
私は、現代は70歳が老いの入り口だと考えます。この70代をどう生きるか、どう生活するかであなたの80代の老人力が決まると言っても過言ではないでしょう。
寿命だけは誰にもわかりません。闘病生活をされている方もいらっしゃるでしょうが、闘病しながらも毎日充実した生活を送っている方もいます。
はた目には「70歳だ。老人だ」と思われるかもしれませんが、自分自身の身体に聞いてみてください。あなたの身体は「まだまだいけますよ」と元気に答えるはずです。