(※画像はイメージです/PIXTA)

あなたは会社の担当者として、相手は相手企業の担当者として話しているのであって、個人で付き合っているわけではありません。自分でやるべきことと組織の力を借りるべきシーンをうまく使い分けるにはどうしたらいいのでしょうか。産業医の井上智介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

クライアントと会社のパイプ役に徹する

2つ目は「返答を急がない」ことです。

 

これは、前述の「会社組織で対応する」という意識も持っていれば、自然とできることではないかと思います。

 

相手の要求に対する回答を、あなたがその場で言う必要はありません。

 

たとえ断る余地を与えないように詰め寄られたとしても、淡々と受け身で聞き流しましょう。

 

「私個人では判断できかねますので、1度社に持ち帰って検討します」
「予算やスタッフのスケジュールを確認しますので、後日お返事いたします」

 

等、どこでも応用可能なお断りフレーズをいくつか用意しておくといいでしょう。

 

相手はあの手この手を使ってあなたのYESを引き出そうとしてくると思いますが、あわてて返事をすると口車に乗せられてしまいます。

 

流れに乗せられないよう、タイミングや場を改めるよう誘導しましょう。

 

最後は、前項でもお伝えした「10分以上話を聞かない」です。

 

面倒な状況に1人で対応できるのは、10分が限度です。

 

「この要求を受け入れてくれるまで、この場を動かない」

 

というようなことになった場合は、10分を目安に、

 

「私1人では決められないので、上の者を呼んできます」

 

と言って担当を代わるか、

 

「この件はどうしても私1人では判断できないので、上の者と協議します」

 

として、一旦その場をお開きにして長期戦に持ち込みましょう。

 

時間を置くことによるクールダウンの効果は絶大です。

 

もし部下からバトンタッチされた場合で、交渉が始まって30分以上経過しているのなら、それ以上話しても埒はあきません。

 

「部内では判断できないので、社内で検討の上、対応を決定します」

 

など、現場レベルでは扱えない案件であることを伝えましょう。

 

何度も言いますが、あくまであなたはクライアントと会社のパイプ役。

 

その場には、あなたと先方の担当者しかいなかったとしても、あなたは会社の担当者として、相手は相手企業の担当者として話しているのであって、個人で付き合っているわけではありません。

 

自分でやるべきことと組織の力を借りるべきシーンをうまく使い分け、クライアントとの良好な関係性を保っていきましょう。

 

井上 智介
産業医
精神科医
健診医

 

 

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※本連載は井上基介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

井上 智介

日本能率協会マネジメントセンター

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