(※画像はイメージです/PIXTA)

あなたは会社の担当者として、相手は相手企業の担当者として話しているのであって、個人で付き合っているわけではありません。自分でやるべきことと組織の力を借りるべきシーンをうまく使い分けるにはどうしたらいいのでしょうか。産業医の井上智介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

面倒な取引先の要求をかわす3つのポイント

■相手に断る余地を与えない人に対処する3つのポイント

 

接客業に限らず、高圧的な態度で要求を通そうとしたり、相手に断る余地を与えないような取引先、クライアントに悩まされている方は少なくありません。

 

個人の付き合いではなく、組織同士の関係であるため、関係性を悪くしないよう気を遣うあまり、無理難題をのんでしまいそうになることもありますよね。

 

しかし、クレーマー同様、1度こうした人たちの要求をのんでしまうと、自分の首を絞めることになったり、会社全体に迷惑をかける結果になってしまうことも。「できないものは、できない」という態度を貫くことが大事です。

 

とはいえ、クライアントの要求を断るのは、かなりの勇気が必要ですよね。

 

会社にクレームを入れられたら、上司に怒られたり、社内で問題になってしまうかも……。

 

そう思うと、怖くて断れない気持ちも分かります。

 

こうしためんどくさい人たちの強引な要求をうまくかわし、かつ穏便に事を済ますポイントは3つあります。

 

これらのポイントさえ押さえておけば、強引な要求を泣く泣く受け入れることも、断ったことで大きな問題になることもないはずです。

 

①1人で解決しようと思わない
②返答を急がない
③10分以上は話を聞かない

 

1つ目から順に見ていきましょう。

 

「1人で解決しようと思わない」というのは、仮にあなたが全面的に任されているクライアントだとしても、すべての局面をあなた1人で解決しなければならないわけではない、ということです。

 

たとえば、最初は「サンプルとしていくつか商品を無償提供してほしい」というような担当者レベルで解決できる要求だったとしても、エスカレートすると度を超えた値引きを求められたり、最悪の場合、法に触れるような事態に発展することもあります。

 

クセのあるクライアントだと感じたら、ことが起こる前に上司やチームに情報を共有しておきましょう。

 

特に、強引な要求をされた時は些細なことでも必ず報告するようにしてください。状況を全く知らないまま突然大きなトラブルが起こったら、会社としてとるべき対応が遅れてしまうこともあります。

 

また、担当者レベルでなんとかできると思って無理して対応していると、いざ大事になった際、「以前はこういうことにも対応してくれた」などと暴露され、あなたの立場が悪くなってしまうことにもなりかねません。

 

あくまでも、クライアントとのトラブルは、個人ではなく会社組織で解決するべきもの、という意識を持っておいてください。

 

次ページクライアントと会社のパイプ役に徹する

※本連載は井上基介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

井上 智介

日本能率協会マネジメントセンター

「仕事の悩みは人間関係が8割」だといいます。 職場ではさまざまな人と関わる必要があり、仕事の関係上、自分が人間関係を選ぶことも難しい。自分に都合の悪いことは無視する上司、融通がきかない部下、承認欲求が強く、自己…

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