(※画像はイメージです/PIXTA)

大切なのは、何事も柔軟に受け流せる、しなやかなメンタルを持つことです。ストレスをうまく受け流し、解消するコツを身につけることで、ストレス耐性の高いメンタルを作ることが必要です。どのようにすればいいのでしょうか。産業医の井上智介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

「思考の癖」を直すとラクになる

■メタ認知で考えや思考の癖をなおす

 

自信が持てない、落ち込みやすい、すぐ心配になるといった方にチェックしていただきたいのは、

 

「その不安や自己否定感は、あなたの思考の癖によって生み出されたものではありませんか?」

 

ということです。

 

人間の思考には、癖があります。

 

成功体験がたくさんある人は、新しいチャレンジをする時も「やってみよう」「今度もきっと大丈夫」と思えます。

 

しかしそうでない人は、何もしていないのに「どうせ自分にはできない」「やっぱり自分はダメなんだ」と自動的に負のループに入ってしまい、あたかもそれが事実のように認識してしまうのです。

 

実際に注意をされたわけでもないのに、「あの部長の機嫌が悪いのは私のせいかも」と思ったり、「取引先からメールの返信がないのは、提案内容がダメだったに違いない」とどんどん悪い方向に考えてしまうのは、あなたの思考の癖が原因かもしれません。

 

その思考の癖を意識して手放すことができれば、ぐっと生きやすくなるでしょう。そのために訓練していきたいのがメタ認知です。

 

メタ認知というのは俯瞰して自分を見ることです。幽体離脱のように、第三者の視点から自分を見ている状態をイメージすると分かりやすいと思います。

 

たとえば、上司に怒られている時、話を真剣に聞けば聞くほど落ち込んでしまいます。

 

ミスをしたなら、もちろん素直に反省・改善すべきところはあるでしょうが、一方的に怒鳴るような指導は指導とは言えません。

 

そんな時は相手の言葉を真に受けず、状況を実況してみてください。

 

「井上、怒られているな」
「△△課長、またものすごく怒ってるよ」
「でも××課長が言っていること、支離滅裂だな」

 

といったように一歩引いて状況を見ることができると、ダイレクトにダメージを受けずに済みます。

 

ミスをした時に重要なのは、落ち込むことではなく、適切に対処し、次回同じことを繰り返さないよう対策することです。

 

その場の空気に飲まれてパニックになってしまうと、自分のせいではないことまで自分の責任だと感じてしまったり、冷静な判断ができなくなってしまいます。

 

冷静さを失わないためにも、メタ認知で状況を客観的に見るトレーニングをしていきましょう。

 

メタ認知は、相手がいる場合だけではなく、自分の中で起こっていることにも使うことができます。

 

たとえば先ほど出てきたような、些細なことでとても落ち込んでしまうような場合には、

 

「ああー、自分はだめだ」

 

ではなく、

 

「井上は、今とても落ち込んでいますねぇ」

 

と、第三者になったつもりで主語を自分にして状況を説明すると、メタ認知のトレーニングになり、自分の思考の癖に気づくこともできますよ。

 

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※本連載は井上基介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

井上 智介

日本能率協会マネジメントセンター

「仕事の悩みは人間関係が8割」だといいます。 職場ではさまざまな人と関わる必要があり、仕事の関係上、自分が人間関係を選ぶことも難しい。自分に都合の悪いことは無視する上司、融通がきかない部下、承認欲求が強く、自己…

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