(写真はイメージです/PIXTA)

賃貸経営でしばしば問題となる敷金。正しい知識をもつことでトラブルを防ぐことができると、不動産法務に詳しいAuthense法律事務所の森田雅也弁護士はいいます。そこで、敷金のキホンとともに、敷金を「使えるケース」「使えないケース」それぞれについて、具体例を交えながら森田弁護士が解説します。

いわゆる「敷引契約」は有効?

物件の賃貸借契約において、いわゆる「敷引契約」が盛り込まれる場合があります。では、この敷引契約は有効なものなのでしょうか?

 

西日本でよく設けられている「敷引特約」

敷引特約とは、あらかじめ定めた敷金の一部を償却し、償却をした部分は退去時にも返還しない旨を定めた特約のことです。

 

たとえば、差し入れた敷金の50%など契約で定められた金額が自動的に償却され、たとえ入居者が負担すべき原状回復費用などが一切ない場合であっても返還しないとする特約などがこれに該当します。

 

つまり、敷引きの対象となる部分の敷金は「敷金」という名ではあるものの、その実態は返却が前提とされない礼金と同様のものだと考えるとよいでしょう。

 

敷引特約には地域性があり、主に西日本でよく設けられている特約です。

 

高額すぎるものでなければ敷引特約は有効

敷引特約は、原則として有効です。

 

ただし、自動的に償却されて返却されない部分の敷金があまりにも高額である場合には、消費者の利益を一方的に害するものであるとして無効とされる可能性があります。

 

月額賃料の2倍弱から3.5倍程度であれば有効であるとした判例はあるものの、どの程度の金額や割合であれば有効であるのかが法令などで明確に定められているわけではありません。

 

万が一争いになった場合には、その物件がある地域の商慣習や他に礼金などを受け取っていたかどうかなどを踏まえて判断される可能性があります。そのため、新たに敷引契約を取り入れようとする場合には、不動産法務に詳しい弁護士へ契約の内容についてあらかじめ相談することをおすすめします。

 

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