毎日、老人ホームに面会…嫌われる家族と好かれる家族の違い (※写真はイメージです/PIXTA)

毎日、朝8時になると、母親の面会に息子さんが老人ホームに来ます。面会時間はおよそ5分間。老人ホームの介護職員の多くは、家族の親の扱いを見て、自分たちがどう扱うべきなのかを決めているといいます。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者の小嶋勝利氏が著書『間違いだらけの老人ホーム選び』(プレジデント社刊)で解説します。

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毎日朝8時に5分だけ母親を見舞う息子

毎日来る家族でも、介護職員に好かれる家族と嫌われる家族とがあります。私が老人ホームの選び方に関するセミナーをすると、次のような質問がよくあります。

 

「先生、どのくらいの頻度でホームに行くことが、一番介護職員にとっていいのでしょうか?」

 

さらに、

 

「親の面会でホームに行く時は、やはり、手土産を持参したほうがいいのでしょうか?」

 

この2つは多くの人から聞かれる話です。私はこのような質問に対し、次のように回答をしています。

 

まず、手土産ですが、介護職員も人の子です。毎回とは言いませんが、たまには、持参したほうがいいと思います。ただし、持参したからといって、何か特別なことをしてくれるわけではありません。あくまでも、コミュニケーション手段の一環だと考えてください。また、面会頻度の話をする場合、次のような話が理解を助けると思います。

 

これも、私が老人ホームで働いていた時の話です。毎日、朝8時になると、母親の面会に息子さんがホームに来ます。面会時間はおよそ5分間です。この息子さんは、ある企業の社長さんで、運転手の運転する車で、会社に向かう前に必ず毎日、ホームに立ち寄ります。勝手知ったるなんとやらで、ホーム内に入り、勝手に母親の居室に行き、5分程度滞在して帰っていきます。

 

介護職員も毎日の決まり事なので、特段、気に留めることもありません。会えばお互いに「おはようございます」と会釈を交かわす程度です。もちろん、この息子さんから、介護のことやホームのことについて、指摘を受けたことは一度たりともありません。いつも、同じルーティンを繰り返しているだけです。

 

入居している母親は、どのような状態なのかといえば、寝たきりで、意識もほとんどありません。目をつぶり、頭を左右に動かしながら、苦しそうな表情を見せますが、医師の話によると、本人は、特別、苦しいわけではないと言います。

 

そんな母親に対し、息子さんは、5分程度、母親の手を握り、無言で、居室で過ごして帰ります。ただそれだけです。それ以上でも、それ以下でもありません。

 

当然、このような面会に対し、介護職員から苦情が来ることなどなく、ましてや「迷惑だ」などと言う介護職員は一人もいるはずがありません。むしろ「Aさんは幸せだ。毎日息子さんが面会に来てくれて」とか「母親思いの息子さんが経営している会社は、きっと立派な会社に違いない」などと、勝手に評論をする介護職員もたくさんいました。

 

つまり、ホームへの面会頻度は何回がいいのか、ではなく、何をしに行くのか? が重要なのです。そして、ホーム内で少しでも自分の親を介護職員から大切に扱ってほしいと思うのであれば、自分が親をどれだけ大切にしているのかを口ではなく行動で示すべきなのです。

 

Aさんの場合、毎日、たった5分間ですが、ホームでAさんが亡くなるその日まで、息子さんは出勤前にホームを訪れ、部屋で手をさすりながら一緒に過ごしていました。

 

休みの日にもです。この息子さんの姿を毎日見てきた介護看護職員が、Aさんに対し、ぞんざいな対応をすると思いますか? 多くの介護職員が考えていたことは、息子さんの気持ちにどうすれば応えることができるのか、ということだけです。

 

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株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載失敗しない「老人ホーム選び」の鉄則

※本連載は小嶋勝利氏の著書『間違いだらけの老人ホーム選び』(プレジデント社刊)から一部を抜粋し、再編集したものです。

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